Partita A-Dur BWV 832とは? わかりやすく解説

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バッハ:パルティータ イ長調

英語表記/番号出版情報
バッハパルティータ イ長調Partita A-Dur BWV 832作曲年: 1708-14年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 アルマンド Allemande2分40 No Image
2 トランペットのためのエール  Air pour les trompettes3分00 No Image
3 サラバンド Sarabande140分00 No Image
4 ブーレ  Bourrée1分00 No Image
5 ジーグ Gigue1分20 No Image

作品解説

2008年4月 執筆者: 朝山 奈津子

 自筆譜存在せず複数資料断片的に伝えられる作品様式観点からバッハではなくテレマンの作であるともいわれてきたが、ごく近年真作に列せられるようになっているというのも、この作品最初の2楽章資料として信頼性の高い「メラー手稿譜」(詳細は《フーガ イ長調 BWV949》の項参照)に伝えられいるからである。資料間ではタイトル異なっている。「メラー手稿譜」では「Suite」、かつてフェティス所有していた資料では「Partie」、またタイトル付けられていない筆写譜も存在する。が、いずれも作曲者としてバッハの名を掲げている。
 冒頭楽章緩やかな対位法書法による典型的なアルマンド後半第4小節から第5小節にかけて cis-Moll が確立し色合い添える。
 これに〈トランペットのためのエール〉が続く。3連符と2連符交代する音型が特徴的だが、実際にトランペット演奏することはほとんど不可能である。また、オルガンストップであるとしても、この音型を持つ声部だけを別に調整した鍵盤で弾くには無理がある。結局のところ、トランペット性格小品としてタイトル引っ張り出されたとみるのが正解かも知れないまた、21小節左手にはバッハ鍵盤にしては異例の音型が現れるが、こうしたオクターヴを含む同音連打ホルン語法模したのである
 サラバンドいっけん三和音連続であるが、トリル分散和音によって装飾的に演奏するよう想定されている。後半には cis-Moll や fis-Moll を通ってナポリ6度(第14小節最終拍、b音)を出現させるに至る。同じリズム淡々と続く緩やかな曲でもこうした和声推移ゆえに退屈を感じさせない
 ブレ一貫した2声で単純なリズム動機のみから成るが、両声部動機交換しあい、もっとも簡単な対位法であるところの転回によって進む。ブレリズム右から左から交互に聞こえてきて、追いつ追われつする軽やかな雰囲気湛えている。
 ジーグバッハ典型からはやや外れた様式であり、模倣現れない。この組曲全体テレマンの作ではないか疑われる根拠も、ここに由来している。しかし、左手冒頭の音型は単なる分散和音伴奏ではなく対位法上の主題一つである。後半では左右動機転回され、右手分散和音担ったままカデンツ形成されている。




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