New World First Busとは? わかりやすく解説

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新世界第一バス

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 03:31 UTC 版)

新世界第一バス (New World First Bus)
冷房付2階建てバス(ボルボ・B8L )
親会社 匯達交通服務中国語版
設立 1998年
本社 香港柴湾
運行場所 香港
路線数 約100路線
ウェブサイト www.nwfb.com.hk

新世界第一バス(しんせかいだいいちばす、中国語:新世界第一巴士、略称:新巴、英語:New World First Bus、略称:NWFB)はかつて香港に存在したバス会社である。路線バスを運営していた。

2023年7月、姉妹会社であるシティバス(城巴)と合併した。

概要

新世界第一バスの前身は、1924年に営業を開始した『中華バス中国語版』(ちゅうかばす、中国語:中華巴士、略称:中巴、英語:China Motor Bus、略称:CMB)である。中華バスは、1933年香港島でのバス路線免許を獲得し、九龍半島新界を営業エリアとする九龍バス(九巴)とともに運行を行ってきたが、サービス低下が問題視され、営業指導後も改善が見られなかった為、香港政府が1998年以降の営業路線免許を与えない決定を行い、公開入札の結果、イギリスファーストグループ(FirstGroup pic)が営業権を獲得し、1998年9月1日より中華バスの路線や車両を引き継いで運行を開始した[1]。その後、2000年には、シティバスの営業権を持つ香港のNWSホールディングス(新創建集團)に株式が売却され、姉妹会社となった。さらに2020年には親会社がNWSホールディングスから匯達交通服務(Bravo Transport Holdings Limited)に変わった。

シティバスとの合併前は約700台のバスを所有し、香港島を主に九龍半島や新界でも路線網を広げていた。

2022年7月12日、香港行政会議2023年7月に同社とシティバスを合併させる方針であることを発表した[2]。その後、2023年6月30日をもって運行を終了、翌7月1日より両社の合併による新たな「シティバス」となった。

車両

1998年の営業開始時には、中華バスから引き継いだ車両502台と、新たに購入した202台のバスで運行を開始し、当初は中華バスの塗装が残っていた車両も、次第に塗装変更されていった。しかし中華バスの引継ぎ車には、最も古い車両で1974年製の車両を含む、多数の老朽化した非冷房車が含まれていた為、1999年から大量の新車を購入して非冷房車の淘汰を進め、2002年8月17日に全車冷房車化を完了した。またこの他、香港国際空港のエアカーゴターミナル会社からの譲渡車も存在した。

保有車両は、2階建てバスを中心にボルボ(旧レイランド)、ネオプランアレクサンダー・デニス(旧デニス)などの欧州製車両が中心であったが、中華バス時代に購入された冷房車も在籍していた。

香港のネチズンの中には、同社を「冷房(化されただけの)中華バス」(繁体字中国語:冷氣中巴)と嘲笑し批判するものも存在した。これは、中華バスから経営が変わったあともサービスが一方向にしか改善されていないことを意味していた。

2021年9月時点で、新世界第一バスは715台のバスを保有していた。

  • ノンステップ2階建てバス:698台
  • ノンステップ1階建てバス:17台

保有車両

メーカ モデル 車体 台数 バス番号 在籍期間 付注
デニス コンドル、長さ11m デュープ・メクセク(Duple Metsec)・W 35 DA57~DA92 1990年~ 元所有者:中華バス
コンドル、長さ12m デュープ・メクセク・W 4 DA93~DA96 1996年~ 元所有者:香港空運貨物有限会社(香港・エアカーゴ・ターミナル)
ボルボ オリンピアン、長さ11.3m アレクサンダー・タイプRH 31 VA31~VA56、VA58~VA61、VA63 1994年~ 元所有者:中華バス
オリンピアン、長さ12m ノーザン・Counties 2 VA65~VA66 1998年~ 元所有者:香港空運貨物有限会社(香港・エアカーゴ・ターミナル)
デニス ダンド・SLF、長さ10.7m Plaxton・カバーオール・2 12 2022~2025、2028、2031~2035、2038、2042 1998年~
ダンド・SLF、長さ10.1m Plaxton・カバーオール・2 24 2061~2065、2076~2094 1999年~
トライデント・3、長さ12m アレクサンダー・ALX500、デュープ・メクセク・DM5000 264 1001~1190、1210~1221、3001~3062 1997年~
トライデント・3、長さ10.6m アレクサンダー・ALX500 15 1624、1639~1640、1644~1646、1648、1653、1655~1661 1999年~
トライデント・3、長さ11.3m アレクサンダー・ALX500 24 1401~1415、1422~1430 1999年~
トライデント・3、長さ10.3m、高さ4.17m デュープ・メクセク・DM5000 60 3301~3360 1999年~
トライデント・3、長さ10.6m デュープ・メクセク・DM5000 1 3601 2000年~
ボルボ スーパーオリンピアン、長さ12m アレクサンダー・ALX500 103 5001~5103 1999年~
ネオプラン セントロライナー、長さ12m 車台と一体化 30 6001~6030 2000年~
アレクサンダー・デニス エンバイロ・500、長さ12m 車台と一体化 83 5500~5582 2008年~
エンバイロ・500、長さ11.3m 車台と一体化 40 4000~4039 2009年~
エンバイロ・500MMC、長さ11.3m 車台と一体化 12 4040~4051 2014年~

過去の車両

冷房車

メーカ モデル バス番号 台数 在籍年間 車体 定員(U:2階座席/L:1階座席+S:1階立席) エンジン 変速機 付注
デニス コンドル(初代A) DA1~12 0 1990年~2004年 デュープ・メクセク・W U53/L41+S32
U66/L41+S32(車内改造工事前)
カミンズ・LTA10 フォイト・DIWA863 DA4、6、7はイギリスもしくはドバイへ譲渡。
コンドル(初代B) DA13~36 0 1991年~2008年 デュープ・メクセク・W U53/L40+S32
U66/L41+S32(車内改造工事前)
カミンズ・LTA10 フォイト・DIWA863 [3]
コンドル(2代) DA37~56 0 1993年~2011年 デュープ・メクセク・W U53/L40+S32
U66/L41+S33(車内改造工事前)
カミンズ・LTA10 フォイト・DIWA863
コンドル(3代) DA57~82 26 1996年~ デュープ・メクセク・W U53/L40+S32
U62/L41+S32(車内改造工事前)
カミンズ・LTA10 (ユーロ・1) フォイト・DIWA863 [4]
コンドル(4代) DA83~92 10 1997年~ デュープ・メクセク・W U51/L39+S31 カミンズ・M11(ユーロ・2) フォイト・DIWA863.3
ダンド9.8米 DC1~20 0 1991年~2002年 カーライル L43+S16 カミンズ・6BT アリソン・AT545 [5]
レイランド オリンピアン LA1~25 0 1991年~2010年 アレクサンダー・タイプRH U53/L40+S32
U64/L40+S32(車内改造工事前)
カミンズ・LT10 ZF・4HP500 [6]
ボルボ オリンピアン(初代) VA1~30 0 1994年~2013年 アレクサンダー・タイプRH U53/L40+S32
U64/L40+S33(車内改造工事前)
カミンズ・LTA10(ユーロ・1) ZF・4HP500 一部の車両は九広鉄道バス(現在のMTRバス)に貸与された事がある。
オリンピアン(2代) VA31~50 20 1996年~ アレクサンダー・タイプRH U53/L30+S50
U65/L30+S50(一部座席が撤去された)
U65/L40+S33(車内改造工事前)
カミンズ・LTA10(ユーロ・1排気基準達成) ZF・4HP500 [7]
オリンピアン(3代) VA51~61、63 11 1998年~ アレクサンダー・タイプRH U53/L39+S30
U53/L37+S30
Volvo D10A~245(ユーロ・2排気基準達成) フォイト・DIWA863 [8]

非冷房車(全車中華バスより譲受)

メーカ モデル 車体 台数 バス番号 在籍期間 付注
レイランド オリンピアン、長さ11m(非冷房) アレクサンダー・タイプRH 10 LM1~LM10 1993年~2000年
デニス コンドル、長さ11m デュープ・メクセク・W 28 DM1~28 1990年~2008年 DM6はオープントップバス化改造、2008年廃車。DM9、12、18、22、25はシティバスへ譲受
デニス コンドル、長さ12m デュープ・メクセク・W 48 DL1~48 1982年~1999年 DL1・DL2は、廃車後個人により保管
MCW メトロバス、長さ9.7m MCW・アポロ 10 MC2~7・MC9~12 1978年~1999年 MC6はオーストラリアに輸出。
MCW メトロバス、長さ11.45m MCW・アポロ 39 MB1~27・MB29~40 1979年~1999年 MB5は、廃車後個人により保管
MCW メトロバス、長さ12m MCW・アポロ 39 ML1~84 1981年~2000年 MB5は、廃車後個人により保管
レイランド ヴィクトリーMk2 アレキサンダーまたはデュープ・メクセク 163 LV1~6・LV8・LV9・LV11~56・LV58~167 1980年~2000年 LV2・LV30・LV158は、廃車後個人により保管
デニス ジュビラント アレキサンダー CB 29 DS1~13・DS15~30 1980年~1999年 DS1は、廃車後個人により保管
ダイムラー フリートライン 33尺 アレキサンダー CB 72 LF13・18・21・26~28・46・48・105・107・109~111・113~121・123・125~127・136・152・160・205・209・211・215・217

・222・223・226・228・229・231・237・239・243・248・249・252・254~258・260・264・265・267~270・272・278・281・284・291~293・296・297・300・302~304

1974年~1999年 LF26は、廃車後個人により保管
ダイムラー フリートライン 30尺 アレキサンダー CB 28 SF3~26・28~31 1979年~2000年 SF3・8は、廃車後個人により保管

脚注

  1. ^ 中華バスは、路線バスの運行終了後も不動産会社として存続しており、バス路線についても、無料バスとして運行する1路線と、車両を数台所有して運行を続けている。
  2. ^ [1] "城巴合併新巴 港島獨家 恐加票價" 香港東方日報(20222年7月13日)
  3. ^ DA13、17、29、30はイギリスもしくはドバイへ譲渡された。
    DA14、16、21~23、27、28は観光バス会社のビッグ・バス・ルート・ツアーへ譲渡。それ以外の車両は解体済み。
  4. ^ 車内改造工事の後、ハノーバー(Hanover)社製の電子方向幕に変更されている。DA69は車内改造工事に伴い、手すりの色がオレンジ色に変更されている。DA66は2007年12月にオープントップバスに改造され、2008年1月25日より、老朽化した非冷房車から改造のDMにかわり、15C系統で走行している。
  5. ^ 10台はシティバスへ譲渡されている。
  6. ^ LA24(FJ1017)は路線表示器を装備していた。営業用車として最後の1両となった社番LA21は、2010年10月18日に82X系統の最終バスとして使用後に廃車。またLA7・LA9・LA21は、営業路線からの引退後に訓練用バスに改造され、社番T11・T5・T14となった。
  7. ^ 2000年頃、定員増加のため、1階席の一部が撤去された。また一部車両は九広鉄道バス(現在のMTRバス)に貸与されていた。車内改造工事の後、ハノーバー(Hanover)社製の電子方向幕に交換された。
  8. ^ VA62及び64は2001年頃にシティバスへ譲渡され、社番1041・1042(のちに9041・9042へ再変更)となった。また一部車両は九広鉄道バスへ貸与された事がある。VA63は、1998年に旧香港国際空港の建物に2階席をぶつける事故を起こし、復旧作業の際に窓ガラスや空調吹き出し口を変更した。VA51~VA55は、2009年7月にオープントップバスに改装され、2009年10月18日より「人力車觀光巴士」「H1懷舊之旅」と「H2動感之旅」として観光路線のH1とH2を使用されているが、VA57は2010年に火事で廃車された。

外部リンク


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