MSVの限界とMS-Xへの移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/06 07:16 UTC 版)
「モビルスーツバリエーション」の記事における「MSVの限界とMS-Xへの移行」の解説
第3期シリーズ(1984年2月 - 9月)の第1弾は「1/100 MS-06R-2 ジョニー・ライデン専用高機動型ザクII」だった。これは、先ほども挙げた通り、『MSV』シリーズ独自のキャラクターが講談社とのタイアップによりとてつもない人気を博したためであった。しかし、本来は自由な改造を楽しむというのが『MSV』のコンセプトだったにもかかわらず、改造する余地のない特定の人物の専用機を発売するということは、シリーズの迷走が始まっていた証拠だった。 事実、第3期シリーズが終了する時点でそれまでにデザインが発表されていた主だった『MSV』は全て発売しつくしてしまうことが分かっていた。つまり、『機動戦士ガンダム ノーマルタイプ』シリーズにおいて発売後2年で題材が枯渇してしまったのと同じことが、『MSV』シリーズも発売後1年半で起こってしまった。 小田雅弘を始めとする現場側はさまざまな道を模索し、オプション兵装を題材としたザクマインレイヤーに代表される「モビルスーツそのもののバリエーションではない商品」や、果てには『プラモ狂四郎』中の人気作例である「パーフェクトガンダム」の商品化、1984年7月には完成済みモデル「ハイコンプリートモデル」の発売など、もはや「モビルスーツバリエーション」や「プラモデル」とはいいがたい商品を発売したりしたが、やはり主力とはなりにくいと判断された。 そこで、富野由悠季がテレビシリーズ『機動戦士ガンダム』制作中に書いた全52話構想を記したメモ、通称トミノメモにて名前のみ判明している「幻のモビルスーツ」に目をつけ、既存のモビルスーツのバリエーションを作るのが困難であるならば、新しいモビルスーツを作ってしまえばいいという方針転換を行い、新シリーズ『MS-X』を企画した。 1984年9月に『MSV』の第3期シリーズが終了。第4期シリーズ用に一般作業用ザクや「パーフェクトガンダムMk-III レッドウォーリア」などの商品化も検討され金型の設計も開始されていたが、これを中断して『MS-X』シリーズを商品化する準備に入った(一方、1983年末にバンダイの首脳陣は、サンライズに対してガンダムの新作アニメ(いわゆる「ニューガンダム(仮)」)を作ることを要求していた。つまり、後の『機動戦士Ζガンダム』である。サンライズとしても、『機動戦士ガンダム』以降に制作した作品に対して十分に満足できる成果を得られていなかったためにそれを承諾し、当初は全く乗り気では無かった富野の説得に乗り出した)。
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