MONDOの条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 15:37 UTC 版)
MONDOを日本に紹介した高杉弾(伝説的自販機本『Jam』『HEAVEN』初代編集長)は、MONDOの条件として「間が抜けている」「あまり面白くない」「安っぽい」「組み合わせの妙」「ややスケベ」「脳天気」などを掲げている。また朝日新聞は「キワモノともジャンク(廃品)とも称される作品」「どういうつもりで作ったんだと、思わず製作意図を問いただしくなるような、音楽や映画」「懸命に作って、結局とんでもないものができてしまった、そんな間抜けさが受けている」とMONDOを要約した。渋谷直角はモンド・ブームについて「デザインや作品として特別優れているわけではないが、奇妙だったり味があって良い、おもしろい、という新たな光で照らされた」「今も昔も並列に見て、その時代時代の背景も知りつつ、美しいものばかりじゃないよね、という情緒ごと楽しむ感覚が当時はあった」と評している。 MONDOと見なされるような対象は、主に次の通りである。 エクスプロイテーション映画(グラインドハウス映画)セクスプロイテーション ナンスプロイテーション ナチスプロイテーション 女囚映画(英語版) 性科学映画 モンド映画ヤコペッティ ラス・メイヤー ジョン・ウォーターズ ルッジェロ・デオダート ハーシェル・ゴードン・ルイスなど 70年代の『プレイボーイ』 月刊誌『ペントハウス』のエログラビア アメリカの企業広告やノベルティグッズ チャールズ・マンソンのTシャツなど猟奇殺人犯のグッズ イームズ・チェアなどの家具 エド・ウッドのZ級映画 目玉芸術集団のザ・レジデンツ 秘宝館(蝋人形館)の展示物 パチンコ店の派手な看板 ラブホテルの奇妙なインテリア 新聞や雑誌の誤植 街で見つけたヘンなもの(変な名前の店、飛び出し坊や、超芸術トマソンなど) ひょっとこ(高杉弾によるMONDOの超訳) ディープな昭和歌謡、パチソン、ポンチャック 高円寺バロックのモンド・グッズ オウムソング(代表曲に『尊師マーチ』など) Mondo Mediaのフラッシュアニメ(代表作に『Happy Tree Friends』『Dick Figures』など) 特殊漫画(ガロ系)三流エロ劇画(清水おさむなど) 自販機本漫画(蛭子能収や根本敬など) 貸本劇画/怪奇漫画(杉本五郎・竹内寛行・池川伸治・徳南晴一郎など) 著作権を無視したMADムービーやFlashムービー、あるいはエルサゲート なお『モンド・ミュージック』のスタッフは、MONDOを次のように分類している。「MONDOにも2種類ある。意図せずしてMONDO(と呼ばれるよう)になってしまったものと、始めから意識的にMONDOをやっているものと」。いずれにせよ、MONDOという概念は、受け手に共有される徹底的な面白主義の立場に由来しているといえるだろう。 MONDOを取り巻く関連用語には「無意識過剰」「奇想天外」「天然」「不思議」「電波系」「へんてこ」「まぬけ」「ディープ」「B級」「Z級」「ポップ」「チープ」「トラッシュ」「ローファイ」「スカム」「キッチュ」「ビザール」「キャンプ」「フリーク」「ウィアード」「ストレンジ」「クィア」「エキゾチカ」「バッド・テイスト」などがある(いずれも世紀末に再注目された)。特に「MONDO」は90年代にスノッブな若者言葉として一部で流通した。林雄司は「モンドな感じだよね、って言っておけば何となく意味ありげな感想を述べたような気になれた」と回想している。
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