IT活用の変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:27 UTC 版)
トヨタ生産方式(TPS)の高度IT化 トヨタの文化・企業風土をベースに競争力の源泉であるトヨタ生産方式と両輪を成す情報システム化が推進されている。TPSとITの最初の融合は「工場のライン側に対して、車のどの部品を組み付けるかなど生産指示のデータを打ち出し、作業手順をわかり易くすること」だったとされる。トヨタのIT活用は1960年代からスタートしているが、現在はトヨタの開発、調達、生産、物流、販売、金融といった自動車事業の全工程に適用され、他社に追随を許さない圧倒的な仕組みをグローバルに構築している。 クルマのデジタル化 クルマはモノづくりの精神・技術の結晶であり、トヨタは先進的な情報技術を車に搭載することで「もっといいクルマ」を目指している。自動車に対する最初のコンピュートは1980年代に始まったエンジンのEFI(燃料噴射装置)とされるが、組み込みソフトウェアによる制御系・非制御系のインテリジェント化、マルチメディア化進行し、自動車とITの融合により安全性能の向上や自動運転機能の搭載、クルマが情報通信デバイスとなるコネクテッドカーが実現した(G-BOOK、T-Connect、en:Lexus Link)。 モビリティ社会のスマート化 トヨタは1980年頃、当時の豊田英二社長が「車は、いずれスタンドアローンの時代から、管理される時代へ変わっていく」 との考えを示した事から車と社会の調和を図るためのIT化に注力、スマートモビリティ社会はICT(情報通信技術)によりクルマと人とコミュニティが相互に「つながる」社会であり、トヨタが目指す環境に優しい豊かな「もっといいクルマ社会」とされる。この取り組みでITS(高度道路交通システム)やテレマティクス、カーシェアリング、パートナーロボット等のモビリティ社会に対するIT活用を推進している。 自動車、住宅に続く、経営の3本目の柱 トヨタはコーポレートベンチャーとして自動車以外に住宅、金融、IT、マリン、バイオ・緑化などの事業を展開しているが、第3の事業としてIT事業(ITS、e-TOYOTA、GAZOO等)を推進している。トヨタが目指すITサービスは公共性、公益性が高く、自動車や住宅、その他の事業との融合が期待できる利用者のニーズに基づいたシームレスな統合型サービスとされる。車やモビリティの枠を超えて、人々の暮らしを豊かにして社会に貢献することを目指し、必要となる技術に対して積極的に取り組み、自動車以外の新しい産業を創出するとしている。
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