FIA対FOTAの対立
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「フォーミュラ・ワン・チームズ・アソシエーション」の記事における「FIA対FOTAの対立」の解説
FIAのマックス・モズレー前会長はかねてより自動車メーカー系チームの高コスト体質を批判していたが、世界金融危機発生後は急進的なコスト削減案を迫り、FOTAの反発を招くことになる。 2008年10月、モズレーは2010年よりスタンダードエンジンを導入することを発表し、チーム側は撤退も辞さないという構えで反対した。同年12月には入札の結果、コスワースがスタンダードエンジンの供給権を落札したが、ホンダのF1撤退発表後に再協議が行われ、別案を推進することに合意した。 「コンコルド協定」および「2010年のF1世界選手権」も参照 2009年3月、FIAは2010年より年間予算制限案(バジェットキャップ)を採用すると発表した。しかし、4000万ポンド(約60億円)という上限額の厳しさに加え、ハンディキャップ付きの選択制という方法にFOTAは反発した。2010年の選手権へは条件付きでエントリー申請を行い、無条件で申請を行ったウィリアムズとフォース・インディアは除名処分とされた。残る加盟チームは欧州自動車工業会 (ACEA) やモナコGPの主催団体から支持を取り付け、6月18日に新シリーズ設立を表明した FOTA新シリーズの2010年暫定カレンダーRd.開催日開催国サーキット補足1 3月3日 アルゼンチン ブエノスアイレス ★ 2 3月21日 メキシコ メキシコシティー ★ 3 4月11日 スペイン ヘレス ★ 4 4月25日 ポルトガル ポルティマオ 5 5月2日 サンマリノ イモラ ★ 6 5月23日 モナコ モンテカルロ ☆ 7 6月6日 カナダ モントリオール ★ 8 6月13日 アメリカ インディアナポリス ★ 9 7月1日 イギリス シルバーストン ☆ 10 7月25日 フランス マニクール ★ 11 8月15日 ドイツ ラウジッツリンク 12 8月29日 フィンランド ヘルシンキ(公道コース) 13 9月12日 イタリア モンツァ ☆ 14 9月26日 アラブ首長国連邦 アブダビ ☆ 15 10月10日 シンガポール マリーナベイ ☆ 16 10月24日 日本 鈴鹿 ☆ 17 11月8日 オーストラリア アデレードまたはサーファーズパラダイス ★ ☆は2009年のF1開催地、★は2009年以前にF1開催経験あり、無印はF1開催経験なし 最終的に、FOTAはバジェットキャップの撤回とモズレーのFIA会長選不出馬という条件を引き出し、6月24日にFIAとの間で分裂回避に合意した。9月9日には除名処分を受けていたウィリアムズとフォース・インディアの再加盟が認められた。 2010年より新規エントリーが認められたUS F1、カンポス(HRT)、マノー(ヴァージン)もFOTAへ加盟したが、US F1は参戦を断念。トヨタとBMWのF1撤退、メルセデスのワークス参戦(ブラウンGP買収)、ザウバーとロータスの追加エントリーといった動きを経て、2010年の加盟数は12チームとなった。
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