DC-6強化型としての開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 10:23 UTC 版)
「ダグラス DC-7」の記事における「DC-6強化型としての開発」の解説
当時DC-6Bを運航していたアメリカン航空が、ライバルのトランス・ワールド航空が運航するロッキードL-1049G・スーパーコンステレーション機に対抗して、アメリカ大陸の無着陸横断飛行が可能な新型機開発をダグラス社に依頼、開発が開始された。 既に与圧構造設計を導入していたDC-6をもとに、スーパー・コンステレーションと同じ強力なターボコンパウンド付エンジンのライトR-3350に換装した点が主な変更点で、DC-6型と外観の相違としてはプロペラブレードが3翅から4翅に変更、エンジン・カウル全体が大型化して排気口が4箇所に増え、高温度排気ガスからの保護補強策にエンジン・ナセルの一部をチタン合金で強化している。エンジン重量と出力強化に伴い、DC-6A/B型胴体の後部を1.02m延長化、主脚は降下時エアブレーキへ併用出来るものとした。 1953年8月、北米国内線でアメリカン航空、ユナイテッド航空、デルタ航空の3社各路線に就航したが、ターボコンパウンド付エンジンに起因する客室へ及ぼす振動と騒音は納期までに克服できなかった。 DC-7B型は、フラップ面積拡張、燃料タンクの翼内やエンジン・ナセル後方への追加増設などが実施され、長距離便用とされたが、北大西洋航路では燃料消費で不利な西行便や悪天候時に途中のテクニカルランディング(給油)が必要であった。それでも北米大陸横断の急行便用には過不足無く、事業拡大から早い納入による増機を図っていたイースタン航空などから追って発注された。 DC-7型機体の基本構造設計はDC-4型機がベースで既に旧式化は否めず(与圧仕様は試作機DC-4Eで採用、ところが量産DC-4型機は戦時下から軍用モデルC-54/R5Dが優先生産されたことから与圧装備は省略、戦後生産の民間向DC-4型少数機が与圧装備に留まった)、DC-6シリーズ以来の継ぎ充ての補強を重ねた機体全体と、最新高出力のターボコンパウンド付エンジンとの組み合わせは著しく不均衡な状態で、エンジン振動とその騒音から客室居住環境はDC-6B型より劣等だった。既に実績があり無理の少ない在来型のDC-6シリーズを選ぶ航空会社も多く、DC-7生産中も並行生産が続いた。
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