D環の合成とは? わかりやすく解説

D環の合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/13 15:02 UTC 版)

ホルトンのタキソール全合成」の記事における「D環の合成」の解説

このセクションではD環の合成を完成させ、B環適切な置換基修飾する(式4)。アリルアルコール 29ピリジン四酸化オスミウム酸化しトリオール 30 とする (a)3つのアルコール基に、次の5つ反応それぞれ修飾を施す。まず1級アルコールクロロトリメチルシランTMS エーテル 31 として保護し (b)、2級アルコール塩化トシル反応させトシラート基を持つ 32変換する (c)不要になった TMS 基は酢酸脱保護し、33 とする (d)。次の段階C20 上のヒドロキシ基求核剤トシル基脱離基とした C5 上で反転を伴う求置換により、オキセタン 34生成させる (e)。残っている3級アルコール無水酢酸DMAPピリジンアシル化 (35) しておき (f)、アセトニトリル中、フッ化水素ピリジン錯体TES脱保護して C10 上のヒドロキシ基元に戻す (36, g)。THF 中、−78 フェニルリチウム作用させ、炭酸エステルをヒドロキシベンゾエート 37 とする (h)。これでB環下半分は完成である。上半分のヒドロキシ基過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム (TPAP)、N-メチルモルホリンオキシド (NMO) で酸化して ケトン 38 とし、THF中低温でカリウム t-ブトキシドによりエノラート変換したのち (i)、ベンゼンセレネン酸無水物でさらに酸化してアシロイン 39 とする (j)。これをアシル化してアシルケトン 40 を得る (k)。

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D環の合成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 01:25 UTC 版)

ダニシェフスキーのタキソール全合成」の記事における「D環の合成」の解説

下式にウィーランド・ミーシャーケトンから始まるC環オキセタンD環の合成を示す。まず、ケトン 1 を水素化ホウ素ナトリウム還元してアルコール 2 とし、これを無水酢酸ジメチルアミノピリジンピリジンアセチル化して保護する (3)ケトン基ナフタレンスルホン酸触媒としたエチレングリコールとの反応アセタール 4 として保護する。このとき二重結合異性化同時に起こる。次にアセチル基ナトリウムエトキシド脱保護し、tert-ブチルジメチルシリルトリフラートと2,6-ルチジンでTBDMS基として保護しなおす。化合物 4 の二重結合は、ヒドロホウ素化とそれに続く過酸化水素による分解によってヒドロキシ基変換される (5)。このヒドロキシ基二クロム酸ピリジニウム酸化してケトン 6 とする。それから、他の二つ官能基不活性化された状態にあるうちに、オキセタン環の作成を行う。まず必要とされるメチレン基を、コーリー・チャイコフスキー反応によってカルボニル基エポキシド 7 とすることで導入するアルミニウムイソプロポキシドによるエポキシドの開環と、それに続く脱離反応によってアリルアルコール 8 を得る。ここで新たに生成した二重結合に、四酸化オスミウム触媒再酸化剤 N-メチルモルホリン N-オキシドで、2個のヒドロキシ基付加する。この反応立体特異的進行しないため、望み立体化学を持つトリオール 9 の収率高くない次に1級アルコールピリジン中、塩化トリメチルシランシリルエーテル 10 として保護し2級アルコールトリフルオロメタンスルホン酸無水物トリフラート 11変換する。これで、良い求核剤と良い脱離基アンチ型の立体配置用意された。最後に 11エチレングリコール中で加熱還流し分子ウィリアムソン反応起こしオキセタン 12 を得る。

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