D環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 21:42 UTC 版)
D環は、非常に薄い最も内側の環である。1980年、ボイジャー1号がこの環の内側に3つのリングレットを発見し、D73、D72、D68と名付けた。D68は、最も土星に近いリングレットである。25年後、カッシーニの画像により、D72は考えられていたよりも薄くて幅広いことが分かり、環の平面が内側に200 kmも拡張された。 D環には、波長30 kmの波からなる微細な構造が存在する。C環とD73の間の空隙で最初に発見されたこの構造は、2009年の土星の分点の日には、D環からB環のすぐ内側まで1万9000 kmも広がっていることが確認された。この波は、1995年に60 kmだったのが2006年には30 mと、経時的に小さくなっており、1983年末に破壊された彗星から放出された1012 kg以下の質量の塵の雲が衝突によって、環が赤道面から外れたために生じたものだと推測される。同じようなパターンは、1994年に木星のメインリングにシューメーカー・レヴィ第9彗星が衝突した際にも見られた。
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