塵の雲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/03 15:13 UTC 版)
「BD +20°307」の記事における「塵の雲」の解説
BD +20°307の周りには、公転半径が1AU程の珪酸塩で出来た塵の雲がある。太陽系にも小惑星の衝突や彗星の尾に由来する塵が存在するが、BD +20°307の塵の量は、太陽系の100万倍とかなり多い。そのため当初は、BD +20°307の年齢は数億年と考えられ、塵は惑星の形成段階における原始惑星系円盤であると推定された[要検証 – ノート][リンク切れ]。 しかし、実際にはリチウムの量から、BD +20°307の年齢はもっと古いことが分かった。一方塵の雲は、温度が120Kと高い温度であり、数千年から数万年しかその状態を保たないと推定される事から、この雲は最近生成された事を示している。この雲は、惑星の摂動を受けて、小惑星が頻繁に衝突するようになったか、もしくは数千年前に地球サイズの天体同士が衝突して粉々に砕け散った結果生じたと推定されている。これは、間接的にではあるが、恒星同士の連星系に惑星が存在する初めての証拠[要検証 – ノート]となった[リンク切れ]。この塵の雲も、BD +20°307の放射によって外に追いやられ、2000年から3000年後には消滅してしまうと考えられている。 BD +20°307で起きた惑星同士の衝突は、太陽系で言えば金星と地球が衝突したようなものである。この2つの惑星は、生命をはぐくむのに十分成熟した状態であったと言う説もあり、仮にそうであれば、惑星上の全ての生命体が数分以内に死滅したと考えられている。このような大衝突は太陽系でも過去にあり、月の誕生は、地球に火星サイズの天体「テイア」が衝突して、生じた破片が寄り集まって月が形成されたというジャイアント・インパクト説はほぼ定説となっている。また、今後10億年以内には可能性はほぼ0であるものの、数十億年という長い時間スケールの間では、地球や他の惑星が、互いの重力相互作用によって軌道が変化し、衝突する可能性があり、数十億年と言う時間スケールの間では、惑星同士の衝突はそれほど珍しい現象ではないという説もある。
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