塵の化学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/31 12:10 UTC 版)
星雲の中央で目立つ暗い線は、ケイ酸塩の結晶、水の結晶、水晶の複合体から構成されるという特異な化学組成を持つ証拠が得られており、また太陽系外で初めての炭化水素の存在も示唆されている(Kemper et al. 2002)。水のない環境では炭化水素の形成は難しいことから、この検出については未だ議論されており、結論は出ていない(Ferrarotti & Gail 2005)。 NGC 6302で検出される塵の最も興味深い特徴の1つは、ケイ酸塩等の酸素の豊富な物質と多環芳香族炭化水素等の炭素の豊富な物質の両方が存在することである(Kemper et al. 2002)。通常の恒星は、酸素の豊富な物質か炭素の豊富な物質のどちらかのみで構成され、前者から後者への変換は、恒星大気における核変換や化学変化によって、恒星の進化の末期に起こる。NGC 6302は、炭化水素分子が酸素の豊富な環境で形成された天体のグループに属する(Matsuura et al. 2005)。
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