Bouvard et Pécuchetとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Bouvard et Pécuchetの意味・解説 

ブヴァールとペキュシェ

(Bouvard et Pécuchet から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 01:47 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ブヴァールとペキュシェ
Bouvard et Pécuchet
初版本(1881年)
作者 ギュスターヴ・フローベール
フランス共和国
言語 フランス語
ジャンル 長編小説(未完)
発表形態 死後出版
刊本情報
出版年月日 1881年
日本語訳
訳者 鈴木健郎
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
テンプレートを表示
『ブヴァールとペキュシェ』草稿

ブヴァールとペキュシェ』(Bouvard et Pécuchet)は、ギュスターヴ・フロベールの長編小説。ブヴァールとペキュシェという友人二人組が、自ら知的であることを誇って自然科学から文学まで森羅万象の研究に着手するが、すべてが中途半端な失敗に終わる。埋もれた在野インテリの滑稽さが徹底的に戯画化される物語で、フロベールの死によって未完に終り、1881年に遺作として刊行された。

紋切型辞典』は本作の作中作として組み込まれる予定だったが、作者の死によって未定稿となった[1]

あらすじ

ブヴァールとペキュシェは、どちらも独身の写字生である。二人はパリのブールドン通りのベンチで偶然知り合い、すぐに意気投合して無二の親友となる。ある日ブヴァールの伯父が死んだことにより多額の遺産が入り込み、ブヴァールはペキュシェを誘って田舎に移り住んで隠遁生活を始める。

二人はまず農業に着手し果樹栽培に乗り出すが、書物だけにもとづく知識は不十分で、大きな損害を被る。科学的知識が欠けていることを痛感した二人は科学や文学の勉強に没頭し、さらに文学・神学とつぎつぎに対象を広げてゆくが、どれも正統的な訓練を受けず書物を読みかじっただけの研究で、失敗ばかりが相次ぐ。しかし二人はともに知的であることを誇って、社会の無知ぶりを嘲笑しつづける。

そんな中で彼らは二人の男女の孤児を引き取ることになり、教育書を紐解きながら彼らにまともな知識を植え付けようとする。しかし子供二人は勉強を受け付けず、最後には裁判によって孤児は取り上げられることになる。二人はあらゆるものから裏切られ、自分たちの研究がことごとく表面的なものにすぎなかったこと、知的と信じてきた読書癖が劣等感からくる俗悪なスノッブ趣味に過ぎなかったことをついに悟るが、そのとき二人はすでに最晩年にさしかかっていた。

日本語訳

  • ブヴァールとペキュシェ(鈴木健郎訳、岩波文庫 全3巻、1954-1955年、復刊1988年ほか)
  • ブヴァールとペキュシェ(新庄嘉章訳、筑摩書房『フローベール全集 第5巻』、1966年、復刊1998年)
  • ブヴァールとペキュシェ(菅谷憲興訳、作品社、2019年) ISBN 978-4861827556

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 山田𣝣「訳者あとがき」 『紋切型辞典平凡社平凡社ライブラリー〉、1998年11月15日、141-153頁。ISBN 4-582-76268-9 

参考文献

  • フロベール 『ブヴァールとペキュシェ』岩波文庫(上中下)、鈴木健郎訳、1954-1955年。解説は下巻

外部リンク


「Bouvard et Pécuchet」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Bouvard et Pécuchet」の関連用語

Bouvard et Pécuchetのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Bouvard et Pécuchetのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのブヴァールとペキュシェ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS