BTシリーズ (RIM-2C/D)
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「テリアミサイル」の記事における「BTシリーズ (RIM-2C/D)」の解説
ロット6からは、1950年5月の新しい運用要求事項に基づいて開発されたテリアIIに移行した。空気力学的特性は1951年初頭に決定され、当初は1952年初頭より試射を開始する予定だったが、設計の改訂に伴って先送りされた。これらは、将来的に電波ホーミング誘導システムを組み込む余地を確保するためもあり、弾体直径は13.5インチから15.0インチに、またブースター径も16.5インチから21.0インチに大型化されるとともに、テリアIでは弾体中部の翼面はピッチとヨー、尾部の翼面はロールの制御に用いられていたのに対して、これらの操舵機能を尾部の翼面に集中させていた。 この設計改訂の過程で、弾体中部の翼面を省いてストレーキのみとする案が浮上し、1954年10月より、翼面をもつものともたないものの双方の試験発射が開始された。1954年には、新しい試験飛行体であるSTV-5が開発され、1955年11月に初飛行を成功させたが、こちらも翼面をもつものともたないものの双方が試験に供された。翼面を持たないほうが安定性・操縦性および艦上での取り回しのいずれも優れていたが、レドームの設計のみが難点であった。 1956年1月には、APLとコンベア社により、後者のみを調達するよう提案され、海軍はこれを直ちに受諾した。1957年にはレドームの設計の問題も解決され、量産への障害はほぼ解消された。1958年中盤には、テリアBTの量産試作が開始され、これによって生産された30発のミサイルは12月に海軍に引き渡された。そして1959年初頭より量産が開始された。新型のロケット・モーターの採用によって、速度はマッハ3に向上し、射程も延伸した。 これらのテリアBT-3はSAM-N-7dとして制式化され、命名法変更後はRIM-2Cと称された。またRIM-2Dとして制式化されたテリアBT-3Aは、さらに改良されたロケット・モーターを使用することで、射程をほぼ倍増させている(37 km)ほか、対水上攻撃モードも備えた。なお、RIM-2Dには、テリア・ミサイルとして唯一の核弾頭搭載型が存在しており、BT-3Aは核出力1キロトンのW45-0弾頭を搭載した。
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