Athlon 64との相違
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 21:38 UTC 版)
「Opteron」の記事における「Athlon 64との相違」の解説
当初のモデルでのAthlon 64との相違点は下記の通り。 3基のHyperTransportインターフェイスを内蔵し、2・4・8ソケットのマルチプロセッサ構成が可能なSocket 940に対応 メインメモリとして PC1600/2100/2700 レジスタードDDR SDRAM(ECCによるエラー補正機能をサポート)にのみ対応 これらの相違により、Athlon 64とOpteronの間では物理的・電気的な相互互換性がなく、CPU・メモリ・マザーボードについて別途用意する必要が生じた。 当初はユニプロセッサ構成専用のOpteron 1xx、デュアル(2)プロセッサ構成対応のOpteron 2xx、そして最大8プロセッサ構成対応のOpteron 8xxの3シリーズがラインナップされ、モデルナンバーの百の位が、システムで構成できるプロセッサの最大数を示していた。 もっとも、ユニプロセッサ対応のOpteron 1xxについては、2chのDDR SDRAMインターフェイスを搭載するSocket 939の制定前には、メモリインターフェイスが1chのみのSocket 754に対応するAthlon 64の上位規格として性能面で合理性が存在したが、Socket 939の制定後はこれに代えて各部品が必然的に高コストとなるSocket 940を使用するメリットはほぼ皆無となった。このため、2005年8月2日のAMD発表でOpteron 1xxはデスクトップパーソナルコンピュータ向けソリューションであるSocket 939に移行し、メモリはアンバッファードDDR SDRAMインターフェイス2ch対応に変更され、HyperTransportも1本に制限されることとなった。この変更は実質的には機能の格下げであり、従来可能であったコンパニオンチップをOpteronに2つ並列で接続する構成が不可能となった。しかし元々ユニプロセッサ専用でなおかつ2系統のHyperTransportが実装されたマザーボードは存在しておらず、機能的な制限が問題となるケースは事実上皆無であった。それに対し、対応するメモリの種類が特殊かつ高価なレジスタードから一般的かつ廉価なアンバッファードへ変更されたことで、コスト面ではPCメーカー・ユーザー共に大きなメリットが得られたことになる。 Opteronを含む初期のK8系プロセッサはシングルコアプロセッサであった。だが、当初より将来のシングルダイでのデュアルコアプロセッサ化を前提として設計されており、チップ内部の演算ブロックとメモリインターフェイスやHyperTransportインターフェイスとを結ぶクロスバー・スイッチ部分にもう1基分の演算ブロックを接続可能な構成とされていた。また、ソケットの仕様も冷却系の仕様を含めてデュアルコア化による電力消費の増大を睨んで決定されたものであるが、これはその後のクアッドコア化には対応しきれないことが明らかとなった。 その後、DDR SDRAMより高速化の容易なDDR2 SDRAMが一般化し、メモリインターフェイスを内蔵するK8系の仕様上、これに対応するにはソケットそのものの仕様変更が必要となった。そのためラインナップ各モデルのソケットの変更が決定され、マルチプロセッサ対応モデルではクアッドコア以上のマルチコア対応に伴う消費電力量増大を念頭に置いて従来の940ピンから1207へと大幅にピン数を増加し、CPU側にピンがあったPGA - ZIF方式からマザーボード側にピンがあるLGA (Land Grid Array) 方式に変更されたSocket Fへ、ユニプロセッサ対応モデルでは939ピンのSocket 939から940ピンのSocket AM2へそれぞれ変更され、これに合わせてモデルナンバーもユニプロセッサモデルがOpteron 1xxx、2プロセッサ対応モデルがOpteron 2xxx、そして8プロセッサ対応モデルがOpteron 8xxxとなった。
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