抗体とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > ヘルスケア > 医療 > 抗体 > 抗体の意味・解説 

抗体 [Antibody(ies)]

 脊椎動物体内には免疫よばれる自己を守る仕組み(生体防御)が備わっている。その免疫に働く物質の中で、抗原によって血清中にできる高分子物質を抗体という。1890年北里柴三郎(日本)とE.A.von ベーリング(ドイツ)によって、ジフテリア菌破傷風菌毒素接種した動物血清中にその抗毒素生成することが発見され、その抗毒素(抗血清)が抗原(細菌体や細菌毒素)と反応して発病を防ぐことができるのであろうという考え方から、初めジフテリア破傷風血清療法確立された。それ以来このような血清による免疫状態(現在は液性免疫よばれる)を定めるのは抗体であろうという考え方広まった。すなわち、脊椎動物(哺乳類爬虫類鳥類両生類魚類円口類)の生体内異物侵入すると、それらが抗原として認識され、その抗原作用消失させることができる血清中に生成される高分子物質が抗体である。
抗体の生成血清中に存在する糖タンパク質であるγ,β-グロブリン領域担っている。抗体が生成されグロブリン免疫グロブリン(immuno-globulin) といい、それを含む血清抗血清という。
細菌産生する毒素加熱ホルマリン処理して得られる無毒化毒素トキソイドといい、そのトキソイド動物接種すると、血清中にその毒素に異的な抗体ができる。その抗体を抗毒素という。無毒化した細菌菌体ウイルス粒子抗原として動物接種すると、その血清中に特異的な抗体ができる。 特異的な抗体ができると、体内へ再び同じ病原体(抗原)が侵入しても、その抗体と結合(抗原-抗体反応)して、病原体の毒力が中和されて発病しない
また、抗血清あるいは抗毒素細菌鑑別病気診断にも用いられる。抗体には上記のような微生物抗原特異的な抗体のほかに、胎盤通じた新生児抗体、アレルギー反応をおこすレアギン(reagin)、血液型抗体、ある抗原によってできた抗体の抗体(抗ハプテン抗体、抗HBウイルス抗体、抗単クローン性抗体など)などきわめて多種類がある。
免疫グロブリン構造的にIgG,IgM,IgA,IgE抗体などに分けられいずれの抗体にも分子内に抗原結合部位があり、そこに抗原結合して複合体となる。反応によってはその複合体補体結合して溶血溶菌などの細胞障害ひきおこすこのような抗体は補体結合抗体とよばれる免疫グロブリン分子量50,000-65,000H鎖25,000L鎖が2本ずつ結合した基本構造とっている。




抗体と同じ種類の言葉

このページでは「微生物の用語解説」から抗体を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から抗体を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から抗体を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「抗体」の関連用語

検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



抗体のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
微生物管理機構微生物管理機構
Microbes Control Organization Ver 1.0 (C)1999-2024 Fumiaki Taguchi

©2024 GRAS Group, Inc.RSS