901活動とは? わかりやすく解説

901運動

(901活動 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/13 07:57 UTC 版)

901運動(キュウマルイチうんどう)とは、車作りに関して日産自動車が「1990年までに技術の世界一になっている」ことを目標として掲げた1980年代の社内運動、社内プロジェクトである。P901活動[1]901活動901計画901作戦プロジェクト901とも呼ばれる。

概要

1980年すぎから、ハイソカーブームのあおりで当時25 %前後を維持していた日産自動車の販売シェアが20 %を切るようになり、日産社内でも対策を練っていた。そこで浮上したのが901運動である。この計画は「1990年代までに技術世界一を目指す」という名の下、1990年代まで開発された全車種を対象にシャシーエンジンサスペンション、ハンドリング、デザイン、そして品質向上などの技術開発に力を注いだ。

901運動の成果

この運動の結果、1980年代後半から1990年代前半に発売された、Y60型パトロール/サファリ、N13 - N14型パルサー、Y31 - Y32型セドリック / グロリア、FPY31型シーマ、F31型レパード(特に後期型)、U12 - U13型ブルーバード、S13型シルビア/ 180SX、A31型初代セフィーロ、J30型マキシマ、C33型ローレル、R32型スカイライン、BNR32型スカイラインGT-R、Z32型フェアレディZ初代インフィニティQ45、B12 - B13型サニー、P10型初代プリメーラ、W10型初代アベニール、R10型初代プレセア、K11型マーチなどの名車を生み出した。

ATTESA(FFベース)やATTESA E-TS(FRベース)、後輪制御のHICASマルチリンク式サスペンション、油圧アクティブサスペンションなどの新開発によるハンドリング技術の向上、SR系、RB26DETTを含むRB系などのエンジンでは性能と耐久性が大幅に向上し、日産のブランドイメージアップと販売回復に貢献していた。

レース活動としては、1990年代にはWRCにも積極的に参戦していた。

バブル崩壊後の衰退

しかし、1990年代前半のバブル景気崩壊で販売台数は下降線をたどり、さらに地球環境対策でリサイクルシステムの構築と推進に巨額の費用を投じなければならず、当時日産自動車の社長であった辻義文は、生き残りの為にコスト削減へ路線変更をせざるを得なくなり、901運動も終了せざるを得なくなり、それに伴い技術力低下や商品力低下なども起き、販売台数はさらに下降線をたどり、日産は不遇の時代が続き、経営危機に陥るまでの事態となった。(なお、この経営危機から救ったのは2002年平成14年)にルノーから派遣されたカルロス・ゴーンであり、リバイバルプランであった。)

このような経緯で901運動は終わりを告げたが、品質向上運動そのものは当時日産と提携して資本参加も行っていた富士重工(現・SUBARU)に受け継がれ、レガシィをはじめとする同社製乗用車の品質向上に大きく貢献した[注釈 1][注釈 2][要出典]

脚注

注釈

  1. ^ 当時の富士重工業は、好調な北米向けの輸出への過度の依存による弊害によって組織の硬直化が進み、1980年代末には専門誌や新聞等で公然と他社による買収や吸収合併、倒産の危機が報道されるほどの厳しい局面を迎えていた。
  2. ^ 当時スバルの主力車種だったレオーネですら晩年までスバル・1000から基本設計が変わらないエンジンプラットフォーム、3速しか無いAT、手動式チョークのままであるなど、他社車と比較して設計の旧態依然化が進んだことなどにより晩年は販売不振が続いていた。

出典

関連項目


901活動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:21 UTC 版)

日産自動車」の記事における「901活動」の解説

1980年代には「90年代まで技術世界一目指すという名の下、全車種を対象エンジンをはじめ、シャーシサスペンション設計目標と、走行実験におけるハンドリング評価基準大幅な底上げなどに力を注いだ「901活動」がおこなわれており、日本車技術向上に大きく貢献したことでは一定の評価受けている。 詳細は「901運動」を参照 1980年代後半バブル経済バブル景気時代には、K10型マーチベースにしたパイクカー第一弾として限定1万台で発売され2か月予約完売となったBe-1や、当時日本唯一の3ナンバー専用高級車であったY31型シーマや、当時はデートカーとして人気となったS13型シルビアなどをヒットさせ、「Be-1効果」や「シーマ現象」なる流行語まで生みだし、「901活動」のもとで開発されたR32型スカイラインZ32フェアレディZなどのスポーツ系車種はじめとしてP10型プリメーラなどのセダン車種なども高い評価を得るなど存在感示していた。しかし、1991年バブル経済崩壊以降開発発売されたU13型ブルーバード(特にEEX/SSS系の4ドアセダン)やC34型ローレル、B14型サニー(同B14型ルキノクーペを含む)、S14型シルビアR33スカイライン(同R33GT-Rは除く)、R11型プレセア、N30型ルネッサなどの車種終始販売不振終わり低迷兆し見え始めていた。

※この「901活動」の解説は、「日産自動車」の解説の一部です。
「901活動」を含む「日産自動車」の記事については、「日産自動車」の概要を参照ください。

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