69型巡洋戦艦とは? わかりやすく解説

69型巡洋戦艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 11:59 UTC 版)

クロンシュタット級重巡洋艦」の記事における「69型巡洋戦艦」の解説

この頃イタリア海軍フランス海軍建造していたダンケルク級戦艦(基準排水量26,500トン主砲33cm砲4連装2基8門、速力30ノット)に対抗すべく、旧式戦艦コンテ・ディ・カブール級戦艦大規模な近代化改装着手した矢先で、2トン級の中型戦艦大型巡洋艦研究実績設計案には事欠かなかった。そのお陰で幸運に同時期に似たような艦種模索していたソ連海軍イタリアから設計案の提供に恵まれていた。そうした時期アンサルドから「1936年巡洋戦艦案」が提案された。これは満載排水量26.700トンで25cm砲3連装3基を搭載すると言うもので、第一中央造船設計局はこれを踏まえて既存の「X型巡洋艦」と「22装甲巡洋艦」を組み合わせて列強重巡洋艦対抗可能で、単独での通商破壊戦を可能とする「69重巡洋艦」の設計1936年11月承認した要求性能は、満載排水量22,000-23,000トン主砲は25.4cm(10インチ)砲9門、速力34ノットで、設計第一中央造船設計局から改名された第17中央設計局引き続き担当した原案1938年6月にニキチン主任設計士官が完成させ、海軍はそれを承認した。だが、ここでスターリンは「69重巡洋艦主任務はドイツ海軍建造中のシャルンホルスト級戦艦超えるのである」と要求性能吊り上げた。69重巡洋艦初期案条約重巡洋艦凌駕するのだったので、25.4cm砲ではドイツ海軍巡洋戦艦には対抗不能である。そのため、海軍は「69重巡洋艦」の要求性能改定し、主砲は25.4cm砲から30.5cm(12インチ)砲へ、基準排水量32,870トンへと大型化された反面速力要求34ノットから32ノットへと若干下げられた。 しかし、スターリン発言重く見た海軍当局合同特別委員会設置し対抗艦を排水量的に同クラスであるドイツ海軍シャルンホルスト級戦艦フランス海軍ダンケルク級戦艦イギリス海軍レナウン級巡洋戦艦イタリア海軍改装戦艦コンテ・ディ・カブール級戦艦カイオ・ドゥイリオ級戦艦日本海軍金剛型戦艦定めて研究した結果、本級の要目定まった基準排水量シャルンホルスト級に並ぶ38,540トン主砲30.5cm砲3連装3基9門で速力32ノットという、紛れもない高速戦艦であった。この結果に気を良くしたスターリン建造承認し建造早急に行うよう命令したために1939年11月に1番「クロンシュタット」がレニングラード造船所起工2番艦「セヴァストーポリ」がニコラエフ造船所起工された。なお、スターリン建造承認した時点では大まかな設計案決まっていたが、最終設計定まっておらず、最終決定案は起工後1940年4月11日承認された。

※この「69型巡洋戦艦」の解説は、「クロンシュタット級重巡洋艦」の解説の一部です。
「69型巡洋戦艦」を含む「クロンシュタット級重巡洋艦」の記事については、「クロンシュタット級重巡洋艦」の概要を参照ください。

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