592系200番台
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「レンフェ592系気動車」の記事における「592系200番台」の解説
592系200番台は、592系0番台を改造した車両である。初期に改造された車両は鉄道愛好者の俗語でAtomicoと呼ばれ、その後に改造された車両はSupermanと呼ばれる。この番台誕生の経緯は、1989年ごろレンフェが、一等席や小型カフェテリアの設置、歯車比の変更による営業速度140km/hへの対応等を含む、列車全体の水準を向上させる更新工事を計画したことから始まる。番台区分トップナンバーの試作車は、幹線運用向けに高速走行を可能とした設計で改造された。しかし同車は1991年にマドリード - クエンカ - バレンシア間の幹線を走行中に途中のベンタミナ付近で火災に見舞われ、動力車1両と付随車1両がほとんど焼けてしまった。この教訓より、レンフェは車体更新に着手することを決め、さまざまな観点で従来の車両とは違った外観を持つ車両として、この試作車は1993年に都市間列車用の動力車2両の編成で復旧された。この編成の屋根からは名物である「こぶ」がなくなり、車体全体は流線型のデザインとなった。これ以降に改造され592系200番台となった車両には次のような特徴がある。 客室の仕切り壁をガラス製に交換し、空間の広がりと明るさを感じさせるものとした。 座席にはクッションが追加され、人間工学的により優れた設計とした。 カーテンをブラインドに変更した。 外観の更新は、動力車の前頭部分に重点的に行われた。前面に行先表示器が設置されたほか、塗装も地域の運用向けにあわせて変更されたが、屋根には「こぶ」が残っている。動力部分はMAN 3256 BTXUEエンジン×4基からより高い出力を許容するMAN D2866 LUEシリーズエンジンに換装された。加えて、出力増強に伴い、最高速度を従来の120km/hから140km/hに向上するためにフォイトの液体変速機も交換され、ブレーキも純空気ブレーキから電磁弁を使用したものに改められた。現在、これら592系200番台はスペイン各地方の中距離列車に運用されている。
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