4000形と共通化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 08:25 UTC 版)
「小田急8000形電車」の記事における「4000形と共通化」の解説
2007年度に更新された8260×6からは、内装については7人がけ座席の手すりを2本とし、優先席付近を淡黄色の内装と青色の床材に変更するほか、出入口の床材を黄色化 や一部のつり革高さを50mm低くする など、4000形の意匠を取り入れた仕様に変更した。その次に更新された8264×6からは、主電動機も4000形と同様の全密閉式電動機である三菱電機製MB-5123-A型に変更されたほか、車体側面の「OER」という切り抜き文字が撤去されるようになった。また、8051×4を皮切りに、この年度からは4両固定編成の更新も開始された。更新内容は6両固定編成と同様であるが、2008年のダイヤ改正以降は分割・併合の回数が大幅に減少し、連結する編成を電気指令式ブレーキ使用車両に限定することが可能となることから 、4両固定編成ではブレーキ読み替え装置は設置されていない。 4両編成の制御装置は6両編成更新車と共通であるが、ソフトウェアを全密閉主電動機に対応したものへ変更した。モニタ装置については併結相手となる3車種の6両編成へ対応するため、TIOS(列車管理システム)搭載車・モニタ装置(列車情報監視装置)搭載車・モニタ非搭載車に対応できるものとなっている。TIOS搭載車とは併結用に伝送読み換え装置があり、TIOS - モニタ間で機器の一括指令が可能となっている。なお、静止形インバータは5000形の廃車発生品が流用されることになった。 2008年に更新された8263×6からは、種別・行先の表示装置の書体が明朝体からゴシック体に変更されたほか、各先頭車両の台車に滑走防止装置が設置された。2008年度で最後に更新された8054×4からはクハ8050形の車椅子スペース部の折りたたみ座席を廃止した 。また、各中間車の優先席位置を新宿寄りから小田原寄り車端部に変更した。2009年度の8265×6を最後に、6両固定編成の更新は終了した。なお、2009年度に更新された車両からは4両編成は新宿方、6両編成は小田原方の車椅子スペース部に車椅子スロープ板収納スペースを設置した。 2011年度に更新された8063×4ではクハ8063のみ室内灯に川重車両テクノ製のLED照明を試行、8066×4ではクハ8066のみ東芝ライテック製のLED照明を試行した。その後、2012年度に更新された8055×4では川重車両テクノ製のLED照明を、8060×4・8062×4では東芝ライテック製のLED照明を本格採用した。 2013年度に更新された8061×4、8059×4を持って、全編成の更新が完了した。なお、2013年度に更新した8061×4・8059×4では従来のIGBT素子を使用したVVVFインバータ(2レベル)から、試験的にSi-IGBT素子とSiC(シリコンカーバイト)-SBD素子を組合わせたハイブリッドSiCモジュールを使用したVVVFインバータ(3レベル・三菱電機製)に変更した 。SiC素子の採用は試験的なものであるため、システム自体はVVVFインバータのみの変更としており、主電動機は2007年度以降の更新車で採用した全密閉式電動機を使用している。 SiCモジュール素子の採用により、装置筐体・重量ともに約40%減少しており、大幅な小型軽量化が図られている(編成重量は0.7t(約700kg)減少している)。SiCモジュールの低損失・高温動作特性により、力行電力量の減少と回生ブレーキ力が高められており、従来のIGBT素子方式よりも約15%の消費電力削減が図られている。この試験結果は2014年度よりリニューアルを開始している1000形に反映・採用されるが、こちらはフルSiC-MOSFET素子を使用している点が大きく異なる。 2007年度の更新車からは内装に4000形の意匠を取り入れた 2008年度の更新車から種別・行先の表示装置の書体を明朝体からゴシック体に変更 クハ8063のLED車内照明
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