2024年の株価大暴落
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/09 05:03 UTC 版)
![]() |
![]() | この項目「2024年の株価大暴落」は翻訳されたばかりのものです。不自然あるいは曖昧な表現などが含まれる可能性があり、このままでは読みづらいかもしれません。(原文:英語版 "2024 stock market decline" 2024年8月6日 (火) 03:07 (UTC)) 修正、加筆に協力し、現在の表現をより自然な表現にして下さる方を求めています。ノートページや履歴も参照してください。(2024年8月) |

本記事では、2024年の株価大暴落(2024ねんのかぶかだいぼうらく)について述べる。
2024年8月、アメリカ合衆国労働省の雇用率の大幅な低下を示す雇用統計[1]を受けて金融市場は下落し、景気後退の懸念が高まった。この株価大暴落は日本銀行の利上げ決定に伴う日本株の下落、企業利益の減少を投資家が懸念したことによる日本円の円高の進行、アメリカ合衆国のテクノロジー株が過大評価されているとの認識などの影響を受けた[2]。
背景・原因
8月5日の(日本の)株価暴落の原因については様々な原因が指摘されている[3][4]。
1. アメリカ合衆国の雇用統計
8月2日、アメリカ合衆国労働省は7月の雇用統計で就業者数が市場予測を大幅に下回ったことを発表した[1][5]。これを受けてニューヨーク市場で株価が急落し、これが日本株にも波及した[6]。
2. 日本銀行の追加利上げ、円高ドル安
7月31日、日本銀行は金融政策決定会合で政策金利を0.25%程度に引き上げることを決定し[7]、日本円の円高が進行した[6][8]。
8月2日、東証株価指数(TOPIX)は前日の下げと合わせた2営業日の下落率が9.2%と2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)以降で最悪を記録した[9][10]。
3. 中東情勢の緊迫化
イスラエルとイランの関係が悪化したことを受けて、投資家の間でリスク回避の動きが強まった[6]。
4. 投機筋の仕掛け
直接の要因とは別に、投機筋が短期的な取引で利益を確保するために大量に売り注文を出したという指摘もある[6]。
その他
金融庁は翌年2025年1月に、大阪取引所の日経先物取引データを分析した結果を公表した。7月中旬から8月上旬にかけて、株式市場での取引の活況度合いを示す「市場流動性」が急速に低下していた[3]。8月5日は特に後場で市場流動性が急速に低下し、価格変動が起こりやすい市場環境になっていた中で、売り需要が大量に発生して「売りが売りを呼ぶ急激な相場変動が発生した」と結論付けた[11][4]。
下落
日本
8月5日、日経平均株価が4,451円28銭(−12.4%)下落し、日経平均先物でサーキットブレーカーが発動され[12]、1987年10月のブラックマンデー翌日の下落(3836.48円)を上回り、史上最大の終値の下げ幅を記録した[2][13][14]。一部報道では植田和男日銀総裁の名前を取って、「植田ショック」や「令和のブラックマンデー(この日が月曜日であったため)」などと呼ばれている[15]。
株価は翌6日の開始から大幅に上昇し、3万4,000円台に回復した[16][17][18]。前日比で3217円04銭(10.23%)上昇しており、この上げ幅は過去最大となった[19]。
パキスタン
8月5日、KSE100指数は前日終値の78,225.98ポイントから1141.50ポイント(1.46%)下落し、77,084.48ポイントで取引を終えた[20]。
大韓民国
8月5日、大韓民国のKOSDAQは11.30%下落し、88.5ポイントを失い、サーキットブレーカーが発動された[21]。
トルコ
トルコのBIST 100指数は8月5日の取引開始時に6.72%下落し、サーキットブレーカーが発動された[22]。
アメリカ合衆国
8月5日、Alphabet、Amazon、Apple、Meta Platforms、Microsoft、Nvidia、Teslaなどのいくつかの主要なテクノロジー株の時価総額が合計で6,530億ドル減少した。Nvidiaは2,880億ドルの損失で、アメリカ合衆国の歴史上最大の1日当たりの時価総額の損失を記録した[23]。ボラティリティ指数のVIX指数は、前週の17から65まで一時急上昇し、2020年の新型コロナウイルス感染症の世界的流行以降の最高水準となった[24]。
フィデリティ・インベストメンツ、チャールズ・シュワブ、バンガードなどのオンライン株式取引プラットフォームは、株価の下落時に技術的な問題を経験した。E-Trade、Robinhoodでも混乱が報告された[25]。
脚注
- ^ a b “Job Market Slows Significantly, Raising Economic Jitters”. The New York Times (2024年8月2日). 2024年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月5日閲覧。
- ^ a b “Fears of Slowing U.S. Growth Jolt Markets Around the World”. The New York Times (2024年8月5日). 2024年8月5日閲覧。
- ^ a b 経済部, 時事通信 (2025年1月8日). “昨夏の株価暴落、背景に流動性低下 少数売り手きっかけか―金融庁データ分析:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2025年4月5日閲覧。
- ^ a b “2024 年8月上旬の日本株市場の急激な相場変動 に関する分析”. 金融庁. 2025年4月5日閲覧。
- ^ 大久保渉「7月米雇用統計、就業者11万4000人増 市場予想大幅に下回る」『毎日新聞』毎日新聞社、2024年8月2日。オリジナルの2024年8月6日時点におけるアーカイブ。2024年8月6日閲覧。
- ^ a b c d 日本放送協会 (2024年8月5日). “株価 過去最大の値下がり ブラックマンデー超え“4つの要因” | NHK”. NHKニュース. 2025年4月5日閲覧。
- ^ 浅川大樹、竹地広憲、佐久間一輝、内田帆ノ佳「日銀、追加利上げ決定 政策金利0.25%程度に 国債買い入れも減額」『毎日新聞』毎日新聞社、2024年7月31日。オリジナルの2024年8月6日時点におけるアーカイブ。2024年8月6日閲覧。
- ^ Fujikawa, Megumi (2024年7月31日). “Bank of Japan Raises Rates, Driving Up Yen”. The Wall Street Journal. 2024年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月5日閲覧。
- ^ Akira Davis, River (2024年8月2日). “Japanese Stocks Tumble 6% as Long-Running Surge Falters”. The New York Times. 2024年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月5日閲覧。
- ^ 田村康剛「大暴落に見舞われた日本株市場、2日間の下落率は2011年の大震災以来」『Bloomberg』ブルームバーグ L.P.、2024年8月2日。オリジナルの2024年8月6日時点におけるアーカイブ。2024年8月6日閲覧。
- ^ “投資家が震えた8月5日、日本株急落の背景に流動性の急低下-金融庁”. Bloomberg.com (2025年1月8日). 2025年4月5日閲覧。
- ^ “Nikkei closes with largest point drop in history, down 12%”. Kyodo News (2024年8月5日). 2024年8月6日閲覧。
- ^ Dwivedi, Vinay (2024年8月4日). “Japan's Nikkei logs worst day since 1987 Black Monday crash” (英語). CNBC. 2024年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月5日閲覧。
- ^ 成澤隼人「日経平均終値、史上最大の下げ幅 ブラックマンデー超え4451円安」『毎日新聞』毎日新聞社、2024年8月5日。オリジナルの2024年8月6日時点におけるアーカイブ。2024年8月6日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2024年9月1日). “日銀追加利上げ 真相を読む【経済コラム】 | NHK”. NHKニュース. 2025年4月5日閲覧。
- ^ “Japan stocks rebound as much as 10% after historic losses; other Asia markets also recover”. CNBC (2024年8月6日). 2024年8月6日閲覧。
- ^ 成澤隼人、大久保渉「日経平均株価、急反発 一時3400円超値上がり 3万4000円台回復」『毎日新聞』毎日新聞社、2024年8月6日。オリジナルの2024年8月6日時点におけるアーカイブ。2024年8月6日閲覧。
- ^ “東京株が過去最大の上げ幅、上昇率では4番目…日経平均株価が3217円高”. 読売新聞 (2024年8月6日). 2024年8月8日閲覧。
- ^ “日経平均大幅反発 終値3217円高の3万4675円”. 日本経済新聞 (2024年8月6日). 2025年4月9日閲覧。
- ^ “Shares at PSX shed over 1,100 points in line with global markets” (英語). DAWN. (2024年8月5日)
- ^ ““黑色星期一”:全球股市跌幅扩大,日股暴跌10%,多个股指触发熔断”. 新浪网. 2024年8月5日閲覧。
- ^ “Turkish stocks start week with strong losses amid global turmoil”. Duvar English. 2024年8月5日閲覧。
- ^ Miao, Hannah (2024年8月5日). “Magnificent Seven Tech Stocks Shed More Than $700 Billion in Market Value”. The Wall Street Journal. 2024年8月5日閲覧。
- ^ “Wall Street’s ‘fear gauge’ — the VIX — hits highest level since the pandemic market plunge in 2020”. CNBC (2024年8月5日). 2024年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月5日閲覧。
- ^ Kaye, Danielle (2024年8月5日). “Thousands of users have reported online brokerage outages as stocks tumbled.”. The New York Times. 2024年8月5日閲覧。
関連項目
- 2024年の株価大暴落のページへのリンク