2022年ロシアのウクライナ侵攻についての発言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 00:31 UTC 版)
「ウラジーミル・ソローキン」の記事における「2022年ロシアのウクライナ侵攻についての発言」の解説
2022年2月24日に始まるロシアのウクライナ侵攻の3日前にソローキンは妻とロシアを出国していた。2010年代からモスクワ郊外とベルリンを行き来しており、それ自体は偶然であるという。同月27日にガーディアンに寄稿し、ロシアにおいて5世紀ものあいだ続いている権力構造とその由来について説明している。 それによると、16世紀にイワン雷帝は個人的軍隊の助けを借りてロシア国家を「権力者と民衆」「敵と味方」に分け、その間を深く断絶した。ロシアの巨大さを支配する唯一の方法として地帯の強大な占領者となり、「強く、残酷で、予測不可能で、民衆に理解されない」軍隊とそれにひれ伏すほかない民衆を作った。この暗黒のピラミッドの頂点に「絶対的権力と全ての権利」を持つたった一人の人間が座る構図自体は、以来、微塵も変わっていないと指摘している。エリツィン大統領(当時)とペレストロイカに取り組んだ側近たちは、このピラミッドを壊さずに表面を改修するのみであったため、エリツィンもまた「ロシア皇帝」として第一次チェチェン紛争を起こし、人々に死と苦しみを与える帝国主義者となった。次に権力を握ったプーチンはソ連の崩壊は20世紀最大の災禍であると発言しており、ロシアを「ソ連は人類の進歩のための最大の希望であり、西側は腐敗しかもたらさない敵だと教えられた」時代に逆行させた『狂った怪物』であると非難した。 同時に、南オセチア紛争・クリミアの併合・ドネツク・ルハンスク親ロシア派武装勢力の独立の認識をプーチンに許した西側諸国の指導者たちを非難している。 同年6月にはフィナンシャル・タイムズのインタビューにも応じ、プーチンの正体を知りながら、プーチンへの忠誠により20年ものあいだ贅沢三昧をしてきた受益者たちについて、「彼(プーチン)の狂気の程度を過小評価していた」「今、良心を物質的な豊かさと引き換えにしてきたその報いを受けている」と切り捨てた。また、プーチンは自分が手を付けたものをすべて破壊しており、目的は戦争に勝つことではない可能性があると示唆している。 ロシア文化のキャンセルが起こっていることについては、「この殺戮の代償を文化が払うのは当然だ」としている。そのうえで、第二次世界大戦直後にドイツ文化が嫌悪されたが、時が流れるにつれて反ドイツの感情も変わっていったことをあげて「ロシア文化はこれからも続くと思う。すでに世界の文化遺産の一部になっているのだから、それなしではやっていけないよ」と述べている。
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