2018年の科学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/18 15:33 UTC 版)
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2018年の科学(2018ねんのかがく)では2018年(平成30年)の科学分野に関する出来事について記述する。
できごと
1月
- 1月9日 - エジプト南部で1996年に発見されたヒュパティアと呼ばれる隕石の組成を分析したヨハネスブルグ大学の研究の結果、地球や既知の小惑星とは異なった珍しい組成をしていることが判明し、太陽系よりも古くに形成された可能性が発表された[1]。
- 1月10日 - 2017年に数か月にわたって確認できたKIC 8462852の不規則な減光の原因について、ペンシルベニア州立大学はダイソン球などの人工構造物によるものではなく、宇宙を漂う塵による可能性が高いとする研究を発表した[2]。
- 1月24日 - 中国科学院の研究チームが、中中と華華と名付けられた2匹のサルのクローンを作り出すことに成功したと発表した[3][4]。
- 1月31日 - 2018年1月31日の月食が観測された。
2月
- 2月3日 - ローンチ・ヴィークルとしては世界最小となるJAXAのSS-520ロケットが打ち上げに成功した[5]。
- 2月6日 - スペースX社のロケットファルコンヘビーがケネディ宇宙センターから打ち上げられ、初飛行に成功した[6]。

- 2月9日 - エジンバラ大学の研究において、実験室内でヒトの卵子が初めて培養された[7]。
- 2月14日 - β-セレクターゼ1(BACE1)という酵素を阻害すると、アルツハイマー病の原因となるプラークの形成が抑制されることが、マウスを使った実験で示された[8]。
3月
- 3月5日 - グラフェンの原子構造を特定の方法で並べ替えると超伝導の性質を示すことが明らかになった[9][10]。
- 3月8日 - これまで地球上では存在が確認されていなかった氷VIIがダイヤモンドの中から発見された[11][12]。
- 3月26日 - ジョンズ・ホプキンズ大学で、世界初の陰茎および陰嚢の移植手術が実施された[13]。
4月

- 4月11日 - メキシコ湾流が過去1600年で最も弱まった状態であることが分かった。研究結果は『ネイチャー』誌に掲載された[20][21]。
- 4月18日 - NASAの宇宙望遠鏡TESSがケープカナベラル宇宙軍施設SLC-40から打ち上げられた[22][23]。
- 4月27日 - 3月に死去したスティーヴン・ホーキングの最後の論文[24]が発表された[25]。
5月
- 5月2日 - 太陽系外惑星WASP-107bの観測で、大気中にヘリウムが存在することが発見された[26]。
- 5月14日 - 1995年から2003年にかけて行われた探査機ガリレオによる木星とその衛星の観測結果を分析したところ、土星の衛星エンケラドゥスのものとよく似ている水の噴出活動が、衛星エウロパでも確認された[27][28]。
- 5月22日 - CRISPR/Cas9を使って従来の25%~31%も収穫量があるイネの品種が、パデュー大学や中国科学院の研究で開発されたと報告された[29]。
6月
- 6月4日 - 欧州原子核研究機構(CERN)の実験で、ヒッグス粒子とトップクォークの直接結合が初めて観測された[30][31]。
- 6月7日 – NASAの火星探査ローバー「キュリオシティ」が、火星の大気中に含まれるメタンの周期的な変動や、ケロゲンなどの複雑な有機化合物を検出したと発表された[32]。
- 6月16日 - 超新星の10倍から100倍の明るさを持つ突発天体AT2018cowが観測された[33]。
- 6月20日 - エジンバラ大学の研究で遺伝子編集を施されたブタが、動物の病気の一つである豚繁殖・呼吸障害症候群に対して耐性を獲得したことが発表された[34]。
- 6月27日
7月
- 7月2日 - ヨーロッパ南天天文台の観測で、PDS 70の周りを公転する、形成されたばかりの太陽系外惑星PDS 70bの撮影に成功した[38]。

- 7月17日 - スコット・S・シェパードらの研究で、木星の衛星が新たに12個発見された。これにより、木星の衛星の数は79となった[39][40]。
- 7月19日 - 高速電子顕微鏡を使ってキイロショウジョウバエのコネクトームが初めてマッピングされ、10万を超えるニューロンの繋がりが可視化された[41]。
8月
- 8月1日 - 研究室で培養された肺をブタに移植することに成功したことを報告する論文が『サイエンス』誌に発表された[42]。
- 8月12日 - 太陽や太陽風の探査を目的とした宇宙探査機パーカー・ソーラー・プローブが、ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた[43]。

- 8月14日 - 巨大マゼラン望遠鏡の建設がチリで着工した。
- 8月16日 - 13年の歳月を経て、コムギのゲノムの全ての塩基配列が解読された[44]。
- 8月28日 - CERNの実験において、ヒッグス粒子がボトムクォークの対に崩壊する様子を始めて観測したと発表された[45]。
9月
- 9月16日 - 高齢者の日常的なアスピリンの服用には効果があるわけではなく、場合によっては有害となる危険性があると報告された[46]。
- 9月22日 - 日本の小惑星探査機はやぶさ2が、小惑星リュウグウにおいて小型の探査ローバー「ミネルバII」を分離し、着陸に成功させたとJAXAが発表した[47][48]。
10月
- 10月3日 - 太陽系外惑星ケプラー1625bを周回する衛星ケプラー1625b Iの存在する可能性が発表された[50][51]。
- 10月8日 - IPCCが1.5 ℃特別報告書を発表した[52][53]。
- 10月12日 - カナダの国立科学研究所(INRS)が、毎秒10兆フレームで撮影できるカメラを開発したと発表した[54]。
- 10月19日 - JAXAとESAの水星探査機ベピ・コロンボが現地時間のこの日、フランス領ギアナにあるギアナ宇宙センターから打ち上げられた[55]。
- 10月26日 - 地球-月の系でのラグランジュ点に、コーディレフスキー雲と呼ばれる雲状の天体が存在することが確認されたと報告された[56][57]。

11月
- 11月1日 - 探査機ドーンの燃料が枯渇したため、NASAがこのミッションの終了を正式に発表した。ドーンは11年にわたって小惑星ベスタや準惑星ケレスの探査ミッションを行った[61][62]。
- 11月5日 - オゾンホールが従来の予想よりもはやく回復していることが国際連合によって発表された[63]。
- 11月14日 - 2015年7月に発見されたグリーンランドの氷河の下の直径31キロのクレーターはおよそ300万年前の直径800メートル程度の隕石の衝突によるものだとする論文が発表された。グリーンランドの氷河の下でこのようなクレーターが見つかるのはこれが初めてである[64][65]。
- 11月15日 - 地球からわずか6光年離れた場所に位置するバーナード星の周りに、スーパーアースとみられる太陽系外惑星バーナード星bが存在する可能性が発表された[66][67][68]。
- 11月22日 - 慢性腎不全の原因となる35の遺伝子が、マンチェスター大学の研究で特定された[69]。
- 11月26日 - 中国南方科技大学の賀建奎が、HIVの感染を防ぐゲノム編集を施した双子の赤ちゃんを世界で初めて出生させたと主張した[70]。この報告は世界中で物議を醸し、翌日には中国生物医学界もこの研究を強く非難する声明を出した。なおこの研究については懐疑的な声も上がっている[71]。
12月
- 12月2日~15日 - 第24回気候変動枠組条約締約国会議(COP24)がポーランドのカトヴィツェで開催された[72]。
- 12月3日 - NASAの小惑星探査機「オサイリス・レックス」が小惑星ベンヌに到着した[73]。

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