2006年版のジュネーブ宣言全文
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「ジュネーブ宣言」の記事における「2006年版のジュネーブ宣言全文」の解説
2006年版のジュネーブ宣言の主だった内容は、 全生涯を人道のために捧げる 人道的立場にのっとり、医を実践する。(道徳的・良識的配慮) 人命を最大限に尊重する。(人命の尊重) 患者の健康を第一に考慮する。 患者の秘密を厳守する。(守秘義務) 患者に対して差別・偏見をしない。(患者の非差別) といったことが定められている。初版にあった受胎後の生命の尊重に冠する記載は、現在の版では削除されている。まだ、ターミナルケアなどの概念ができる前の規定なのでQOLといった概念は登場していない。多くの国で国家資格である医師の届出義務をみるとこういった考え方が生かされていることがうかがえる。例えば、麻薬中毒の患者が来たとしても医師にそれを警察に届出する義務は全くない。麻薬を手にしている犯罪者であっても治療を行うという姿勢のあらわれである。 以下に、2006年5月、ディボンヌ・レ・バンにおける第173回理事会で編集上修正された版の直訳を示す。 医療専門職の一員としての任を得るにあたり、 私は、人類への貢献に自らの人生を捧げることを厳粛に誓う。 私は、私の恩師たちへ、彼らが当然受けるべき尊敬と感謝の念を捧げる。 私は、良心と尊厳とをもって、自らの職務を実践する。 私の患者の健康を、私の第一の関心事項とする。 私は、たとえ患者が亡くなった後であろうと、信頼され打ち明けられた秘密を尊重する。 私は、全身全霊をかけて、医療専門職の名誉と高貴なる伝統を堅持する。 私の同僚たちを、私の兄弟姉妹とする。 私は、年齢、疾患や障害、信条、民族的起源、性別、国籍、所属政治団体、人種、性的指向、社会的地位、その他いかなる他の要因の斟酌であっても、私の職務と私の患者との間に干渉することを許さない。 私は、人命を最大限尊重し続ける。 私は、たとえ脅迫の下であっても、人権や市民の自由を侵害するために私の医学的知識を使用しない。 私は、自由意思のもと私の名誉をかけて、厳粛にこれらのことを誓約する。 — 2006年版のジュネーブ宣言
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