1990年代:このジャンルへの新しいアプローチ
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「バディムービー」の記事における「1990年代:このジャンルへの新しいアプローチ」の解説
1990年代初頭、映画の中の男性像がより繊細になり、バディムービーの中には「男性同士の繊細な関係を必要とする男性性を考察する」ものがあった。そのような作品には、『フィッシャー・キング』(1991年)や『ショーシャンクの空に』(1994年)などがある。また、この年代には、このジャンルに対する新しいアプローチも見られた。1991年の映画『テルマ&ルイーズ』では、ジーナ・デイヴィスとスーザン・サランドンの女性ペアが登場し、1993年の映画『ペリカン文書』では、ジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンの男女のプラトニックなペアが登場した。1998年の映画『ラッシュアワー』では、ジャッキー・チェンとクリス・タッカーという非白人男性のペアが登場し、ロサンゼルス・タイムズ紙は、アメリカ映画のカラーブラインドネス(人種分類)(英語版)を象徴していると評した。 『ハード・プレイ』(1992年)、『ダーティ・ボーイズ』(1996年)、『グリッドロック』(1997年)、『ナショナル・セキュリティ』(2003年)、『最高の人生の見つけ方』(2007年)など、1990年代~2000年代に入っても異人種間のバディ映画は続き、さまざまなジャンルと融合していった[要出典]。 また、1990年代から2000年代にかけて、ジョン・ウー監督のハリウッド映画は、香港で製作された過去の作品にあった武侠の「忠誠と信頼のテーマ」を輸入して、男性の絆について異なる表現をしている。Kin-Yan Szetoは、「The Martial Arts Cinema of the Chinese Diaspora」の中で、「彼が監督したハリウッド映画の3作目である『フェイス/オフ』で...ジョン・ウーは、血縁や家族を強固にする覇権主義的な男らしさに異議を唱える可能性のあるホモソーシャル性のテーマを展開し、政治的に利用することに成功している」と書いている。ウー監督が2001年に製作した第二次世界大戦の映画『ウインドトーカーズ』では、2組のバディペアが描かれ、それぞれのペアが民族性による不平等を示している(白人のアメリカ人兵士がナバホ族の暗号解読者を守るが、一方で暗号を守るために解読者を殺す準備もしている)。Szetoは、「ウーは2組のバディペアを使って、白人の異性愛者男性の支配的な立場を単に回復させたり強化したりするのではなく、異人種間の絆における意味の変化や複数の可能性を探っている」と説明している。
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