1990年代の復興
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/12 14:40 UTC 版)
1980年代初頭、アメリカのビッグスリーは、日本車の品質向上と輸出攻勢により、冬の時代を迎えたが、1980年代後半からアメリカ経済が落ち着きを取り戻したこと、車の品質が向上したことなどから、アメリカの消費者の嗜好は再び大型車、フルサイズカーに向かった。 きっかけは、1984年に発売されたプリマス・ボイジャーに代表されるミニバン(実質フルサイズバン)である。ドイツ車や日本車にはない、多人数がゆったりと移動できる大型の車体は好評を得た。若者の嗜好も次第に大型のスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)やピックアップトラックに移った。これらの車種は、自動車会社の利益率が高かった(コンパクトカーが1台数千~数百ドルの利益であったのに対して、フルサイズSUVは1台1万ドル以上の利益を出した)ため、積極的な商品開発が行われ売れ行きも加速。アメリカの自動車業界を立ち直らせる原動力となった。日本のメーカーもフルサイズ戦略車として、トヨタ自動車がタンドラなどを投入するようになった。 この時代のフルサイズカーの特徴は、1960年代の車種と比べ派手な装飾が控えられていることである。しかし、通勤・通学・買い物・旅行用途には通例使用しない悪路に対する走破性能、滅多に荷物を載せないカーゴスペースなど、無駄を楽しむ余地は細分化して残されている。
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