1990年アジア冬季競技大会
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参加国・地域数 | 10 |
参加人数 | 選手305人 役員137人 計442人[1] |
競技種目数 | 4競技33種目1デモンストレーション |
開会式 | 1990年3月9日 |
閉会式 | 1990年3月14日 |
開会宣言 | 金宗河(キム・チョンハ)OAC副会長 |
選手宣誓 | 橋本聖子 |
審判宣誓 | |
最終聖火ランナー | 葛西廣一(東海大四高3年、陸上競技) |
主競技場 | 真駒内屋外競技場 |
最優秀選手 |
1990年アジア冬季競技大会(1990ねんアジアとうききょうぎたいかい)は1990年3月9日から14日まで日本の北海道札幌市で開催された第2回アジア冬季競技大会。
当初は、インドでの開催が決定していたが、政情不安などを理由に開催を返上。1988年9月のアジアオリンピック評議会総会において再び札幌市で開催することとなった。
障害者の冬季スポーツ大会を開催することについて考慮・検討された様子はなかった。
ハイライト
- 開会式前の3月6日から公式練習が開始された。
- 開会式では皇族の常陸宮が「おことば」を述べた。
- ジャンプ競技は日本以外に参加がなくデモンストレーション競技として行われた。
- スピードスケート女子の橋本聖子は4種目すべて優勝した。
- クロスカントリースキー女子の青木富美子は3種目すべて優勝した。
- バイアスロン10kmに出場したインドのセーリング・バルジョルは競技用の銃を持っておらず、ホスト国が用意するものと誤解したまま来日したものの銃が調達できず出場が危ぶまれたが、日本チームの銃は自衛隊の備品であるために貸与できず、ようやく韓国チームから借り受け、北海道警察が一時譲渡の手続きで便宜をはかり出場にこぎつけた[2]。
- 次回第3回大会は朝鮮民主主義人民共和国の三池淵で開催予定だったがのちに辞退し中国のハルビンで行われることとなった。
聖火
広島市平和記念公園の平和の灯から1990年2月3日午後2時に採取された。札幌に運ばれた後分火され、2月8日から3月9日まで北海道庁庁舎ロビーおよび札幌市役所庁舎ロビーで一般公開された。
3月9日の開会式当日、札幌市役所前で点火式が行われた。本大会は通常のランナーによる聖火リレーではなく、札幌市役所前で点火すると熱センサーによりその信号が真駒内屋内競技場の聖火受信装置に電話回線を介して送られ、即座に発火するという遠隔点火が行われた。受信装置に点火された聖火はトーチに移され、最終聖火ランナー葛西廣一の手により聖火台に灯された。
連続した不手際
本大会では運営上の不手際が続出した。
- 3月9日のショートトラック女子1500mでは韓国の金昭希が優勝したが、その表彰式で韓国国歌を流すべきところモンゴル国歌が流れてしまい、テープを入れ替えたところ今度は北朝鮮の国歌が流れてしまった。3度目で正しい韓国国歌が流れたが、場内は騒然とし、組織委員会は韓国選手団に謝罪した[3]。
- 3月9日のショートトラック男女500mでは本来行われるべき5-6位決定戦が日程に組み込まれておらず、急遽翌3月10日に行った[4]。
- さらにレース前の選手紹介で韓国選手の国名を北朝鮮と間違える、ラップタイムの読み上げを間違えるなどの不手際があった。
- 3月13日のスピードスケート男子10000mでは第1組の佐藤和弘(日本)、郝剛(中国)のレース中、周回回数を1周少なく誤掲示し、24周で佐藤がゴールして一旦流したが、コーチの指示でもう1周して正規の25周でゴールした。運営側は日本、中国チームと協議し、再レースは行わず、タイムは予備計測の手動計時を参考に正式記録として採用、佐藤は金メダルを獲得した[4]。
参加国・地域
8ヶ国・2地域から305人(男性224人女性81人)の選手と137人の役員が参加した。他にデモンストレーション競技のスキージャンプに日本人のみ72人が出場した。
()内は選手数: 男,女の順
中国(73: 49,24)
イギリス領香港(役員のみ4人)
インド(12: 10,2)
イラン(10: 10,0)
日本(80: 55,25)
韓国(63: 51,12)
モンゴル(7: 6,1
フィリピン(1: 1,0)
北朝鮮(54: 37,17)
チャイニーズタイペイ(5: 5,0)
参加国・地域人数
IOC | 参加国・地域 | 人数 |
---|
実施競技と日程
競技名 / 日付 | 3/9 | 3/10 | 3/11 | 3/12 | 3/13 | 3/14 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
開会式 | • | ||||||
スキー | アルペンスキー | • | • | • | |||
クロスカントリースキー | • | • | • | • | • | ||
スキージャンプ | • | ||||||
スケート | スピードスケート | • | • | • | • | ||
ショートトラックスピードスケート | • | • | |||||
アイスホッケー | • | • | • | ||||
バイアスロン | • | • | • | ||||
閉会式 | • |
国・地域別メダル受賞数
順 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ![]() |
18 | 16 | 13 | 47 |
2 | ![]() |
9 | 9 | 8 | 26 |
3 | ![]() |
6 | 7 | 8 | 21 |
4 | ![]() |
0 | 1 | 4 | 5 |
5 | ![]() |
0 | 0 | 1 | 1 |
競技結果
アルペンスキー
種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
男子大回転 3月10日 | ![]() |
2分12秒02 | ![]() |
2分12秒79 | ![]() |
2分13秒46 |
女子大回転 3月11日 | ![]() |
2分28秒30 | ![]() |
2分29秒69 | ![]() |
2分30秒44 |
男子回転 3月12日 | ![]() |
1分31秒74 | ![]() |
1分34秒90 | ![]() |
1分38秒90 |
女子回転 3月13日[5] | ![]() |
1分03秒28 | ![]() |
1分03秒59 | ![]() |
1分04秒14 |
クロスカントリースキー
種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
男子15km 3月10日 | ![]() |
41分27秒8 | ![]() |
42分51秒1 | ![]() |
43分04秒3 |
女子10km 3月11日 | ![]() |
32分54秒4 | ![]() |
34分53秒1 | ![]() |
35分04秒3 |
男子10km×4リレー 3月12日 | ![]() 渡辺博文 山崎正晴 佐々木一成 |
2時間07分32秒5 | ![]() PARK Ki-Ho PARK Byung-chul HONG kun-pyo |
2時間11分05秒9 | ![]() Ganbat Ziytsagany BattulgaDambajamtsyn Merey Gongoryn |
2時間17分25秒6 |
女子5km×4リレー 3月12日 | ![]() 青木富美子 星川直美 三上佳子 |
1時間10分20秒2 | ![]() CHI Xiumei WANG Jinfen SONG Aiqin |
1時間18分54秒0 | ![]() LI Kyong-Hui LIM Gun-Son CHOI Youg Hwa |
1時間22分37秒3 |
男子30km 3月13日 | ![]() |
1時間29分07秒1 | ![]() |
1時間32分27秒0 | ![]() |
1時間33分49秒0 |
女子15km 3月14日 | ![]() |
48分15秒3 | ![]() |
50分24秒4 | ![]() |
51分03秒0 |
スピードスケート
種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
男子5000m 3月10日 | ![]() |
7分16秒98 | ![]() |
7分22秒61 | ![]() |
7分22秒66 |
女子500m 3月10日 | ![]() |
41秒85 | ![]() |
42秒08 | ![]() |
42秒22 |
男子500m 3月10日 | ![]() |
38秒14 | ![]() |
38秒21 | ![]() 宮部保範 |
38秒34 |
女子1500m 3月11日 | ![]() |
2分11秒23 | ![]() |
2分13秒05 | ![]() |
2分14秒22 |
男子1500m 3月11日 | ![]() |
2分00秒48 | ![]() |
2分00秒70 | ![]() |
2分01秒46 |
女子3000m 3月12日 | ![]() |
4分39秒05 | ![]() |
4分43秒62 | ![]() |
4分44秒67 |
男子1000m 3月12日 | ![]() |
1分15秒43 | ![]() |
1分16秒94 | ![]() |
1分17秒05 |
女子1000m 3月12日 | ![]() |
1分24秒46 | ![]() |
1分25秒43 | ![]() |
1分25秒65 |
男子10000m 3月13日 | ![]() |
16分03秒63 | ![]() |
16分15秒38 | ![]() |
16分17秒71 |
ショートトラックスピードスケート
アイスホッケー
種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
3月10日、11日、13日 | ![]() |
2勝1引分 | ![]() |
2勝1敗 | ![]() |
1勝2敗 |
バイアスロン
種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
男子20km 3月10日 | ![]() |
1時間00分14秒9 | ![]() |
1時間00分51秒3 | ![]() |
1時間01分00秒6 |
男子10km 3月12日 | ![]() |
29分47秒6 | ![]() |
30分37秒4 | ![]() |
31分37秒3 |
男子7.5km×4リレー 3月13日 | ![]() |
1時間42分39秒6 | ![]() |
1時間45分02秒9 | ![]() |
2時間00分38秒6 |
スキージャンプ(デモンストレーション競技)
種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
ラージヒルK115 3月14日 | ![]() |
222.0pt | ![]() |
221.5pt | ![]() |
219.0pt |
会場
参考資料
「第2回アジア冬季競技大会公式報告書」制作・発行:札幌アジア冬季大会組織委員会、平成2年6月1日発行、札幌市中央図書館蔵]
脚注
外部リンク
固有名詞の分類
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