1241.8型・1241.8ME型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 08:59 UTC 版)
「タランタル型コルベット」の記事における「1241.8型・1241.8ME型」の解説
その後、1241.1型のさらなる発展型として1241.8号計画が立案された。NATOでは、「タランタルIV改」(Tarantul-IV Mod)と呼んだ。 1241.8型は、新しい3M24E「ウラーンE」を搭載することで他の派生型とは一線を画していた。3M24「ウラーン」を小型戦闘艦艇に搭載する試みは、1241.8型大型ミサイル艇と1234.7型小型ミサイル艦に結実した。 1241.8型は、艇の構成全体に変更は加えられなかったものの、従来の1241.1型とはまったく異なる配置で4連装4 基16 門のミサイル発射機を装備した。このミサイルは射程約130 kmの亜音速巡航シースキマー艦対艦ミサイルで、航空母艦を主目標とする従来の長射程対艦ミサイルとそれ以外の水上艦艇を主目標とする中・短射程対艦ミサイルを統合する新系列のミサイルであった。 3M24「ウラーン」は、空対艦ミサイルKh-35の派生型として ズヴェズダ設計局(ru)で開発された。能力は低くないものの、同世代の3M55「オーニクス」や3M54「カリブル」の射程300 kmに比べると見劣りし、主として海外への輸出艦艇に搭載されている。このミサイルを最初に装備した艦艇もドイツ民主共和国(東ドイツ)製の151号計画型(ザスニッツ級)であった。但し、東東ドイツ海軍が西ドイツ海軍に吸収合併された際にザスニッツ級の「ウラーン」システム一式はソ連に返却されており、その後ポーランド向けに建造された派生型660型ミサイル艇(ザスニッツ級・オルカン級)3 隻も「ウラーン」ではなくSAABのRBS-15を採用している。ソ連・ロシア海軍の艦艇では比較的少数の艦艇にしか搭載されていないが、新型の警備艦である20380号計画型や11661K号計画「ゲパールト」型警備艦などに採用されている。 この他、1241.8型は対空兵装として9K310「イグラ-1」艦対空ミサイルとAK-630Mを搭載した。レーダーは、主檣上にMR-352「ポジチーフE」対空・水上捜索レーダーを搭載している。 冷戦終結の影響で、1241.8号計画は事実上中止された。しかし、インドで派生型1241.8ME型(проект 12418МЭ)として復活することになった。 インドで建造された2 隻の1241.8ME型は一部装備が大きく変更されている。主砲はイタリア・オートブレーダ/オート・メラーラ製62口径76 mm単装速射砲が搭載されている。この派生型は、1241.8改型(Mod 1241.8)、或は1241RE改型(Mod 1241RE)と呼ばれることがある。インドの1231.8ME型については、同じくインドで建造された25A型ミサイルコルベットとの間に武装やセンサー類に共通性が見られるとされる。レーダーにはMR-352「ポジチーフE」、「ガルプーン・バールE」、射撃管制レーダー「BEL リンクス」が搭載されている。「BEL リンクス」は76 mm砲とAK-630Mを統禦する。この型は、計画では4 隻建造となっている。対空ミサイルは、9K32M「ストレラ-2M」を搭載している。
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