1241.7型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 08:59 UTC 版)
「タランタル型コルベット」の記事における「1241.7型」の解説
1241.1号計画を元に、1241.7号計画が立案された。NATOは、これを「タランタルII改」(Tarantul-II Mod)と呼んだ。この計画に沿って建造された艇はR-71の1 隻のみであった。 改修の主眼となったのは、従来のAK-630M防空システムを新型の高射ミサイル・火砲コンプレックス3M87「コールチク」に換装したことであった。 「コールチク」は、自立自動制御の防空システムで、昼夜を問わず全天候能力を有していた。使用するミサイルは9M311Kで、2K22システムに使用された9M311を元に開発された艦対空短射程ミサイルであった。発射は自動で行われ、電波信号によって誘導された。停止したものを含め500 m/sまでの速力を持つ空中の目標を迎撃できた。弾体は、全長2.65 m、弾頭重量9 kg、最高速度900 m/sであった。 「コールチク」はこのミサイルの発射機2 基を装備していた。それに加え、2 基の30 mm6砲身機関砲6K30GShを装備した。これは、航空機用のGSh-30機関砲6 門を束ねたもので、毎分10000 発の発射速度を誇った。 「コールチク」は、レーダーと暗号計算機、照準装置、誘導装置、安定装置からなっていた。システムは一度に6 目標まで追尾可能で、ミサイルは高度4 kmまでの距離8 kmから1.5 km まで、機関砲は500 mまでの近距離において使用されることとなっていた。目標には、艇からの近距離における巡航ミサイル、航空機、ヘリコプター、誘導爆弾が想定されていた。 1989年から1992年にかけて実施された中期修理の際にR-71の搭載する「コールチク」は試作型から量産型に換装された。しかし、最終的に「コールチク」装備一式は撤去され、2007年現在R-71は主砲以外に防空兵装を搭載しない状態で現役を継続している。
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