ノコギリヒラタムシ
ノコギリヒラタムシは世界各地に分布し、日本全国にする。オオメノコギリヒラタムシも世界中に分布するが、国内では本州各地の倉庫や食品工場、飛行場などで単発的に発生しており、分布の詳細は明らかでない。
いずれも重要な貯穀害虫で、穀粉から加工食品に至るまで幅広く食害する。 穀粒そのものより、糠や小麦粉といった穀粉や細かく砕かれた穀類が主に加害される。ノコギリヒラタムシではチョコレートなどのお菓子の加害も多い。近縁のオオメノコギリヒラタムシは、砕けたヒマワリ種子やナッツ類などから発生する。
穀類・穀粉から加工食品に至るまで幅広く食害する。 穀粒そのものは食害せれにくく、糠や小麦粉といった穀粉や細かく砕かれた穀類、お菓子類を好む。粒のままの穀類では胚芽部分のみを食べる。 近縁のオオメノコギリヒラタムシは、砕けたヒマワリ種子やナッツ類、コプラなどの油原料から発見される。非常に小さく体が扁平なので、どんな狭い隙間でも侵入することができる。
ノコギリヒラタムシは年に2~4回発生し、被害は夏から秋にかけて集中する傾向がある。25℃条件下では40日内外で1世代を経過する。発育には約20℃以上の温度が必要で、25~28℃のときに最も活動が活発になる。高温を好むが、乾燥や低温、低酸素等の悪条件に対しても強い。成虫の寿命は通常数ヶ月、長いもので1年以上に及び、一生に100~300個の卵を産むという(安富・梅谷、1995)。
ノコギリヒラタムシ
鋸扁虫
ノコギリヒラタムシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/23 01:25 UTC 版)
ノコギリヒラタムシ(鋸扁虫[1]Oryzaephilus surinamensis)は、鞘翅目ホソヒラタムシ科に属する昆虫の1種である。汎存種であり、極地を除き、地球の陸上のほぼ全域に分布している[2]。穀粉や菓子類などを食べ、食品工場などに多く生息する[3][4]。
- ^ 日外アソシエーツ『動植物名よみかた辞典』1991年、160頁
- ^ 黒澤良彦・久松定成・佐々治寛之『原色日本甲虫図鑑(III)』保育社、1985年、204頁
- ^ a b c d e f g h i j 安富和男・梅谷献二『原色図鑑/改訂・衛生害虫と衣食住の害虫』全国農村教育協会、1995年、62、63頁
- ^ a b c d e f g h i 佐藤仁彦『生活害虫の事典』朝倉書店、2003年、43-45頁
- ^ イカリ消毒 ノコギリヒラタムシ類2018年2月閲覧
- ^ 小野展嗣『動物学ラテン語辞典』ぎょうせい、2009年、371頁
- ^ a b c d e f g 林長閑 「家屋・食品にみられる鞘翅目(甲虫目)の形態・生態(甲虫)」『家屋害虫』第13、14号、日本家屋害虫学会、1982年
- ^ a b 日本家屋害虫学会編『家屋害虫事典』井上書院、1995年、224-225頁
- ^ 寺山守・須田博久『日本産有剣ハチ類図鑑』東海大学出版部、2016年、367頁
- ^ すまいの虫図鑑・ノコギリヒラタムシ2018年8月閲覧
- ^ 森勇一「先史~歴史時代の地層中より産出した都市型昆虫について」『家屋害虫』第23巻1号、日本家屋害虫学会、2001年
- 1 ノコギリヒラタムシとは
- 2 ノコギリヒラタムシの概要
- 3 近縁種
ノコギリヒラタムシと同じ種類の言葉
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