音色決定のためのボタン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 08:01 UTC 版)
「オンド・マルトノ」の記事における「音色決定のためのボタン」の解説
これらの音色は全て大元の信号として発せられる三角波(トライアングルウェーヴ)を加工する仕組みである。これらのボタンを一つあるいは複数組み合わせることによって、音色が決定される。 O オンド onde 正弦波、サインウェーヴ C クルー creux 中空の意味。三角波、トライアングルウェーヴ N ナジヤール nasillard 鼻声の意味。のこぎり波、ソーウェーヴ G ガンベ Gambé 矩形波、スクウェアウェーヴ g プチ・ガンベ petit gambé 同じく矩形波だが、スイッチの右、トゥッシュの左に付いたレバーで、三角波からの加工の度合いを調節できる。1から5までの目盛りが付いているが、アナログレバーであり緩やかな変化も可能。目盛りを5にすると、ほぼガンベと同じ音色になる。 8 タンブル・オクタヴィアン timbres octaviant オクターブ上の音を出す。左に付いたレバーで効果の度合いを調節できる。プチ・ガンベと同様アナログレバーで5段階の目盛り付き。 T トゥッティ tutti 全ての音色を同時発信。 S スフル souffle 息の意味、つまりノイズ。上記のボタンとは離れており、操作盤の右側についている。操作盤上部右側の回転レバーによって音量を調節する。このノイズはホワイトノイズではなくピンクノイズであり、ノイズのみで出力した場合でも鍵盤やリボンにより若干の音程を聞き取ることが可能である。(ただしピンクノイズは、聴き手ごとの位置や首の傾き方などによる、発信源からのわずかな左右の耳の距離の違いにより、そのドップラー効果によって感じる音程が変わってくる事に注意が必要である。つまり大まかな音程の指定によるリボン奏法は効果があるが、鍵盤奏法でノイズのみの音程を書き記してもその記譜通りの音が全ての聴き手に聞き取れるわけではない。)メタリックおよびパルムスピーカーを併用することにより、単なるピンクノイズにとどまらない打楽器的な音響効果を生み出すことが出来る。特にメタリック・スピーカーでの出力は、ジャズで多用されるように、シンバルをワイヤーブラシ状ドラムスティックで擦るような音になる。もちろん音程を持つその他の音色と組み合わせることも可能。 多くの楽譜の書き方では、最初に音色と後述のスピーカーを決定しておく。例えば最初にO C D1,D3とする。次に音色を変えるとき、ボタンをオンにするものは+をつけ、オフにするものは-をつける。これら変化を指定するボタンは、太字や四角で囲むなどして強調しておくのが望ましい。変化のあるボタンのみ書くこともできるが、フレーズの開始部分などでは変化の無いボタンも併記しておくことが、練習の便宜上望ましい。先ほどの組み合わせにNを足し、Cを抜き、スピーカーD3への出力を止める場合は、+N -C -D3 O D1と書く。
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