ひ‐とうほうせい〔‐トウハウセイ〕【非等方性】
読み方:ひとうほうせい
⇒異方性
等方的と異方的
(非等方性 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/06 23:13 UTC 版)
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ある対象の性質や分布が方向に依存しないときそれは等方的(とうほうてき、isotropic)であるといい、一方で、方向に依存するときは異方的(いほうてき、anisotropic)であるという。別な表現では、ある対象の性質や分布が回転により変化しないとき等方的であり、回転により変化するとき異方的である。対象が等方的か異方的かは、対象の等方性(isotropy)もしくは異方性(anisotropy)の有無として表現する場合もある。
例
- 水やガラスは、光学的性質に関して向きによらないので等方的であるが、液晶や結晶は向きによって異なる偏光応答をするので異方的である。
- 地上の重力場は、下向きに引力が働いているので異方的である。ただし地球を中心に全体を見た場合、系を回転しても重力場はほぼ同じであるので、等方的と見ることができる。
- 木材は縦方向、年輪に垂直な方向、年輪の接線方向に関して強度などの性質が異なるので異方的な材料である。
- 空間(真空)は、本質的には、回転に関して物理法則が不変であるので等方的である。ただし、そこに何らかの物体があると、その場は異方的になる場合がある。
- 地震波速度異方性
関連項目
非等方性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 04:56 UTC 版)
「宇宙マイクロ波背景放射」の記事における「非等方性」の解説
外的な物理過程によるCMBの変化も存在する。スニヤエフ・ゼルドビッチ効果はこのような物理過程の主な要素の一つである。宇宙空間に高エネルギーの電子を含む雲が存在し、このような雲によってCMBの放射が散乱されると、CMBの光子はいくらかエネルギーを得て、散乱前よりも温度の高い放射として観測される。 もっと興味深いのは、約数十分角から数度のスケールで見られる約10-5程度の非等方性である。この非常に小さな変動はザックス・ヴォルフェ効果の結果である。これはCMBの光子が重力赤方偏移を受けて生じるものである。インフレーション理論によれば、この変動の起源は量子ゆらぎがインフレーションによって引き伸ばされたものであり、宇宙の初期ゆらぎそのものである。この変動の角度に関するパワースペクトルは(多重極モーメント成分の振幅として)理論的に計算することができ、パワースペクトルにいくつかのピークや谷が存在することが分かる。このピークや谷の位置はハッブル定数などの宇宙論パラメータや宇宙の幾何学に依存するため、これを実際の観測と比較することで宇宙モデルを決めることができる。
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