一般相対論に基づくサニャック効果の説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/31 05:34 UTC 版)
「サニャック効果」の記事における「一般相対論に基づくサニャック効果の説明」の解説
サニャック効果は、回転座標系の下で、移動経路(および移動方向)に依存する形で生じる時間のずれを指すが、この時間のずれとは相対論的な固有時のずれ(時間の遅れ)を指す。非慣性系下の事象を記述する一般相対論に従えば、移動経路に依存する形で生じる時間のずれは当然の事象とされる(大域的同時性の不成立)。 一般に、非慣性系の下では上記のずれが生じ、時計の進みには単なる特殊相対論的なずれが生じるだけではなく、ある経路上に沿って時計を持って移動することを考えると、移動経路に依存するずれが生じる。実際に、非慣性系の下では、異なる2つの経路(例えばa→b→cとa→b'→c。bとb'とは異なる時空点であると仮定。)を移動させた後のそれぞれの時計を比較することによって、両者のずれの差を観測できる。光などの信号が経路を伝播する場合は伝播時間が「伝播経路長÷伝播速度+移動経路に依存する伝播時間のずれ」(もしくは伝播速度自体のずれ)として観測される。自由伝播経路も直線とはならない。これらは光伝播の重力レンズ効果とも基本的に話は同様である。 特に回転座標系に特有な時間のずれとこれに起因する効果をサニャック効果と呼び、移動方向に対して時間のずれは非等方性を示す。典型例としてリングレーザージャイロスコープでは、光などの信号伝播は、ある周回経路上を回転座標系回転軸に対して右回りと左回りに1周する2つの経路の信号伝播時間には差が生じる。すなわちこの周回経路を回転軸(角速度 ω {\displaystyle \omega } )に垂直な平面に投影した閉曲線が囲む面積を S {\displaystyle S} とすると、サニャック効果によって、 ± ω S {\displaystyle \pm \omega S} に比例する時間のずれがそれぞれに生ずる。サニャック効果はアルベルト・アインシュタインによって無視された。
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