非修道者(第三会員)用の省略型スカプラリオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 06:11 UTC 版)
「スカプラリオ」の記事における「非修道者(第三会員)用の省略型スカプラリオ」の解説
いくつかの著書が示唆するには、修道者用ではない省略型のスカプラリオを身につける伝統が始まったのは、11世紀の聖ペトルス・ダミアニ(St.Petrus Damiani)の時代で、修道者用スカプラリオが、徐々に布の小さなアイテムに形を変えたものであった。その修道者用ではないスカプラリオは、修道者や修道女の修道服の一部で、信仰を表す小さなアイテムであった。それは個人たちで、俗世で生活するが、修道院に属することを望んだ人々オブレイツと呼ばれた人々がそれを身につけた。 中世になると、キリスト者の信仰で、托鉢修道士の霊性を補助する団体の感覚が一般的に認められるようになってきた。時々「第三会」と呼ばれたが、それは彼らが托鉢修道者と修道女のその次に設立されたからである。これらの第三会員と呼ばれる人々は彼らは通常、修道者の完全な修道服を身に纏うことは許されず、「第三会員用の修道服」を着ることを許諾された。完全な修道院の修道服を着用できることはそれは大変栄誉なことで大きな特権と捉えられていたため、修道的宣誓を立てていない第3会会員はその着用は出来なかった。 第3会などの奉仕団体は、特別な功労をした特別な階級の人が人々の中でどのようなアイテムを身に纏うかを形成して行った。フランシスコ会の中では、彼らは「コードベアラーズ」として知られている。これは彼らが修道士が身につける腰紐のイミテーションを胴体に巻きつけていることによる。 フランス革命とナポレオンによるフランスとイタリアへの侵攻(ナポレオン戦争)による修道生活の混乱後、第三会の修道服の着用は禁止された。このようにして、結局、修道者が身につけるスカプラリオより小さな形状のスカプラリオを修道者ではない者が授けられるのは当り前のこととなった。むしろ、紐で繋がれているウール地の2つの長方形の布地という形状だった。布の全長は数インチ幅で現代の信仰者用スカプラリオより非常に大きいものであった。これらのスカプラリオは、現在でもフランシスコ会(en)、カルメル会(en)、ドミニコ会(en)の「第三会」会員に着用されている。修道の恵みを得るため、会員は、絶えずこれらのスカプラリオを身につけなければならない。しかしながら、1883年には「フランシスコ会第3会の規則における憲章」いわゆる「ミズリーコース・ディ・ユース(Misericors Dei Filius)」では、教皇レオ13世は、「第三会員」の中型サイズであるスカプラリオも、小型の信仰者用スカプラリオも、着用する者は、同様に修道と結びついた免償を得ると宣言した。いくつかの修道会によっては自分たちの大型のスカプラリオの小型版を未だに第三会員に与えているところもある。そのスカプラリオは時々「縮小スカプラリオ」と呼ばれる。このような短いスカプラリオは落ち着きあるようにそして、家庭や職場での服装の下に着られるようにデザインされている。
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