非公務員化とみなし公務員
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 02:16 UTC 版)
「非公務員化」の記事における「非公務員化とみなし公務員」の解説
国立研究開発法人や中期目標管理法人や国立大学法人など非公務員化された公法人や特殊法人においては、設置根拠たる個別法にて、みなし公務員規定が置かれるものが多い。独立行政法人制度の設立や国立大学の法人化の方針を定めた「中央省庁等改革の推進に関する方針」(平成11年4月27日中央省庁等改革推進本部決定)においては、行政執行法人以外の独立行政法人の職員について、「業務の性質等に応じ一定の独立行政法人の職員に、個別法令により刑法その他の罰則の適用についての「みなし公務員」規定等を置くものとするとされており、これに従い、多くの国立研究開発法人及び中期目標管理法人並びに国立大学法人の個別法(設立根拠法)において、みなし公務員規定が整備されている。 みなし公務員規定とは、法人の職員に対し、刑法その他の罰則の適用について、公務に従事する職員(国家公務員や地方公務員)とみなすというもので、公務員ではない法人の職員に対し、「公務員が行った行為に対する罰則」と「公務員に対して行われた行為に対する罰則」が公務員と同様に課せられるというものである。 具体的には、法人の文書・印章について公文書偽造、公印偽造などの罪が成立することとなる。刑法以外の罰則には暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)がある。 みなし公務員規定により適用される罰則は、国家公務員や地方公務員である者につき独自にその服務規律を定めた国家公務員法または地方公務員法上の罰則(秘密漏洩の罰則、営利企業の地位に就いた罰則など)の適用はないと解されている。 なお、非公務員化された組織の職員は、引き続き国家公務員宿舎(通称:官舎)を使用することができる場合があるが、これは、個別法によって国家公務員宿舎法を職員に適用することができ、それに伴って宿舎を使用することができるのであって、みなし公務員であるからではない。(例:地域医療機能推進機構は、個別法にてみなし公務員規定が置かれているが、国家公務員宿舎法の適用外であるため、職員に国家公務員宿舎を使用させることはできない。)みなし公務員と宿舎法の適用は、法制上、全く別の措置である。
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