阪神・淡路大震災時の迂回路として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 10:01 UTC 版)
「福知山線」の記事における「阪神・淡路大震災時の迂回路として」の解説
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災ではJR神戸線が寸断され、復旧には時間を要する見込みとなった。よって、その迂回ルートで最も重要な線区として、最優先で福知山線の復旧作業が行われた。福知山線では川西池田駅 - 中山寺駅間の被害が大きく、地震発生の1月17日には広野駅 - 福知山駅間が開通し、その後順次運転を再開した。 輸送力の確保のため運転開始直後から臨時列車が運転され、5時30分から21時まで、1時間につき1本か2本の臨時列車を最大42本運転し、特急「北近畿」の増結も行われた。大阪駅を発着としていた特急列車は、東海道新幹線との接続のため3往復を新大阪駅発着で運転し、このほかに「北近畿」15号は福知山駅 → 和田山駅間で延長運転し、播但線との接続を改善した。またJR神戸線が全通した4月1日以降も4月17日まで、新大阪駅延長運転が2往復、和田山駅延長運転が行われた。 JR神戸線で運行されていた貨物列車の迂回運転も行われた。しかし、福知山線や山陰本線の和田山駅 - 湖山駅間では貨物列車が運転されなくなっていたため、重い貨物列車を毎日運転するには問題があり、乗務員の養成や設備の一部改良の必要性があったが、福知山線・山陰本線・伯備線を経由して2月11日から迂回運転が開始された。貨物列車が運転されていなかった区間の迂回貨物列車の乗務は、JR西日本が担当した。また、ダイヤ改正にあわせた新製車両の甲種鉄道車両輸送も3月14日から8本、特大貨物2本が迂回運転された。 1月17日:広野駅 - 福知山駅間が開通。 1月18日:(東海道線大阪駅 - )尼崎駅 - 塚口駅間が開通。 1月19日:宝塚駅 - 広野駅間が開通。 1月21日:塚口駅 - 宝塚駅間が開通し、全線復旧。神戸市内からは北神急行電鉄・神戸電鉄を利用した鉄道の迂回ルートが完成。臨時列車10往復運転開始。 1月22日:臨時列車が14往復に増発。 1月23日:姫路駅 - 新大阪駅間(播但線・福知山線経由)で直通快速が1往復運転開始。 1月24日:臨時列車が19往復に増発(増発の快速4本は西宮名塩駅に停車)。 2月11日:東京貨物ターミナル駅 - 福岡貨物ターミナル駅間運転の貨物列車が迂回運転開始(コンテナ車両10両)。 3月20日:東京貨物ターミナル駅 - 福岡貨物ターミナル駅間運転の迂回貨物列車が2往復に増発(増発分はコンテナ車両8両)。
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