閻とは? わかりやすく解説

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/22 06:43 UTC 版)

各種表記
繁体字 閻/閆
簡体字 阎/闫
拼音 Yán
注音符号 ㄧㄢˊ
ラテン字 Yen
広東語発音: Jim4
上海語発音: Nyie1
台湾語白話字 Giâm
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(えん)またはは、漢姓のひとつ。

中国の姓

中華圏の一般的な姓で、2020年の中華人民共和国第7回全国人口調査中国語版国勢調査)に基づく姓氏統計によると中国で77番目に多い姓であり、358.93万人がいる[1][2]。一方、台湾の2018年の統計では「閻」が第174位で、2,881人がいる。「閆」が第422位で、238人がいる[3]

現行本の『百家姓』で、「閻」は327番目、「閆」は460番目に分かれて出てくるが、この2字が別字であるかどうかには問題がある。

文字

「閻」と「閆」は一応別の字とされるが、「閆」は古い書物に見えない。『五音篇海』に『俗字背篇』を出典として「閆」字を載せ、「閻」に同じとしている[4]。おそらく本来は「閻」の異体字と考えられる。『正字通』で「閆」を姓のための専用字とし[5]、それを継承した『康熙字典』・『大漢和辞典』にも「閆」が載せられている。

簡体字では古くは「阎」のみで「闫」を異体字としていた。1977年の第二次漢字簡化方案では「闫」に統一されたが、この方案は廃止された。現在は「阎」と「闫」を分けているが、本来「阎」であっても姓には「闫」の字が使われることが多い。だが、姓氏辞典の類で、「闫」を見出しに立てずに、「阎は闫とも書く」と簡単にすませてしまっているものもある[6]

著名な人物

朝鮮の姓

ヨム
各種表記
ハングル
漢字
発音:
日本語読み: えん
ローマ字 Yeom
マッキューンライシャワー式 Yŏm
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(えん、ヨ: )は、朝鮮人の姓の一つだったが、1930年の国勢調査当時、初めて登場し[7]、当時、既に世系の伝を失っており、本貫も不明でその考証は難しいが、高麗の太祖朝に、中国から帰化して義刑台令を歴任した閻長が文献上の初見である[8]。1985年、経済企画院実施の「人口センサス」の集計結果285姓氏には含まれておらず、姓を改めたとも考えられる[8] が、中国東北地方に暮らす朝鮮族には、滅多に見られないものの存在するという[9]。これについて以下に述べる。

著名な人物

人口と割合

1930年度国勢調査の際は全北沃溝郡開井面峨山里に、1世帯が確認されているが[7][8] 、その後何度も行われた調査[8][9]ではいずれも1軒も確認されていない。また中国東北地方に暮らす朝鮮族でも滅多に見られないものの、吉林省和竜市では現在でもこの姓が確認されているため[9]、既に1930年の段階で朝鮮王朝後期以降の間島地方への移住や、1905年の第2次日韓協約による韓国の保護国化、1910年の日韓併合以降の日本支配を嫌って、一族の多くが抗日義兵や難民として東北地方に移住していた可能性もある。あるいは1945年以降の独立後に、朝鮮戦争などの混乱で難民として流出した可能性もある。

年度 人口 世帯数 順位 割合
1930年 (世帯のみ調査) 1世帯
1960年 0人
1985年 0人 0世帯
2000年 0人 0世帯
2015年 24人[11]

脚注

  1. ^ 中国信息报 2022年11月11日 2版 - “百家姓”规模及其占全国总人数比重” (中国語). 中国信息报 (2022年11月11日). 2023年2月11日閲覧。
  2. ^ “百家姓”人口占全国人口比重达84.55%” (中国語). 中国信息报 (2022年11月11日). 2023年2月11日閲覧。
  3. ^ 全國姓名統計分析”. 中華民国内政部. pp. 282, 285 (2018年10月). 2023年1月19日閲覧。
  4. ^ 成化丁亥重刊改併五音類聚四聲篇海』 巻七・門部・閆https://archive.org/stream/02076730.cn#page/n18/mode/2up。「以炎切。与閻同。」 
  5. ^ 正字通』 門部三画・閆https://archive.org/stream/02076823.cn#page/n130/mode/2up。「移廉切。音閻、姓也。『挙要』「閆」同「閻」。『説文』有「閻」無「閆」。今『姓譜』分為二。」 
  6. ^ 陳明遠、汪宗虎『中国姓氏辞典』北京出版社、1995年、488頁。「“阎”又作“闫”。」 
  7. ^ a b 朝鮮総督官房臨時国勢調査課 編(日本語)『朝鮮の姓』(復刻版)第一書房 (朝鮮総督府)、東京 (京城府)、1977年。 
  8. ^ a b c d 「새역사」역사편찬회 編(朝鮮語)『한구인 성씨 족보(韓国人の姓氏と族譜)』(第3版)図書出版オンブックス(도서출판 온북스 (onbooks))ソウル、2008年。ISBN 8995435135 
  9. ^ a b c d 责任编辑 于玉莲、唐海琴 編「朝鲜族」(中国語)『中国少数民族姓氏』其他;编辑委员、民族出版社北京、2011年。 
  10. ^ 朝鮮戦争で朝鮮人民軍に従軍して戦死したということ。
  11. ^ KOSIS”. kosis.kr. 2022年8月15日閲覧。

関連項目



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