開発中止になったもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:19 UTC 版)
「パトロールカー」の記事における「開発中止になったもの」の解説
カーボンモータース・E7 カーボンモータース(英語版)社が2008年に発表した次世代のパトカー専用車。同社によると供給開始は2012年からとされていたが、後述の資金供給問題により2013年に同社が倒産した為、実際に製造される事はなかった。 動力系統には300馬力を発生するBMW製3.0L直6ディーゼルエンジンと6速ATを搭載していた。 同社はE7は0→100km/h加速を6.5秒で、ゼロヨン加速を14.5秒で行う動力性能を備えつつも燃費は28〜30マイル/ガロン(およそ12km/L)で済み、航続距離は522マイル(およそ835km)で、他社製品と比べて動力性能でも運用コストでも優れていると述べていた。 外観の特徴は警光灯やプッシュバンパーをはじめから組み込んでいること。警光灯はボディの屋根前端部や側面、ピラーなどに組み込まれており、一見するとスリックトップのような外観ながら後付のように車内にはみ出すようなことはなかった。ドアは観音開きで、後部へ容疑者を載せる時の負担を軽減していた。 機能面ではレベルIII-Aの防弾措置が施されていた。ナンバー読取装置なども搭載可能。ステアリングスイッチは無線や警光灯を操作するためのものになっており、見た目は一般の乗用車で使用されるものと似ているが、機能はパトカー専用モデルらしいもの。シートは腰の辺りが大きくえぐれており、ガンベルトを装着した状態でも着座しやすいようになっていた。 ニード・フォー・スピード ホット・パースートではハイウェイパトロールユニットとして登場する。 同社は2008年にアメリカ合衆国エネルギー省(DOE)が先進的なエコカー開発を後押しする目的で発表した自動車製造先端技術インセンティブプログラム(英語版)(ATVM)に基づく資金供給を当て込んで車両の開発を行っていたが、2009年にフォード・モーターや北米日産、テスラモーターズ、フィスカー・オートモーティブ(英語版)が早々とATVMでの資金調達に成功する中、同社の融資計画はDOEからなかなか承認されなかった。2012年3月7日、当時のアメリカ合衆国エネルギー長官スティーブン・チューは、同社の融資資金返済計画に問題があるとして同社が申請していた310万米ドルの資金供給を最終的に拒否した。同社はDOEの融資拒否は警察車両における既得権益を持つビッグスリーに配慮した政治的意図に基づいたものであると主張したが、ATVMは元々リーマンショックにより疲弊したアメリカの自動車産業(英語版)を救済する目的でアメリカ合衆国財務省が発表した不良資産救済プログラム(英語版)(GM、クライスラーが救済融資を受けた)とは無関係であり、DOEは賃金の未払いや債務返済繰延べなど資金難に陥っていた同社の財務状況が融資拒否の原因であるとした。同社と同様にATVMでの融資を拒否されて倒産や吸収合併された会社は三輪自動車のアペラ・モーターズ(英語版)、プラグインハイブリッド車のブライト・オートモーティブ(英語版)、電動オートバイのブラムモ(英語版)などがあった。
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