開催の中止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 16:09 UTC 版)
競馬は通常天候が悪化した場合でも開催されるが、台風や積雪などの天候災害などで競走が中止となる場合がある。また皇族の死去に伴い喪に服すという意味、さらに公正競馬が実施できないと判断した際、馬インフルエンザや馬伝染性貧血など馬の病気が蔓延した場合、放送機器などの場内設備の故障、また厩務員のストライキによる中止もある。 1989年1月7日には昭和天皇が崩御となった際に、国民に服喪と、華美な歌舞音曲を慎む様呼び掛けたため、同日と8日の中山、京都競馬を中止した(代替は7日分は13日、8日分は20日に施行)。 開催の可否については主催者の開催執務委員が開催当日の天気状況や交通状況などを踏まえて開催当日の早朝に審議し、特に天候の悪化で観客や競走馬の輸送の困難、馬場状態について含有水分が多かったり冬季の場合は積雪・凍結が発生するなど公正な競馬の開催に支障をきたすおそれがある場合には開催の中止を宣告する。また馬券発売を管理するコンピューターの故障や集計データの破損、激しい雷雨などにより人馬が屋外にいることが危険と判断したケースで特定の競走のみ中止になったこともある。 また一旦競走を通常通り開催した後に同様の状況が発生し、レース開催が困難となった場合にも途中でレースを中止(取りやめ)にすることもある。 障害競走は降雪時の障害飛越が滑りやすく危険になるため平地競走に比べて降雪による影響を受けやすく、そのため平地競走は施行、障害競走のみ中止する場合もある。また芝コースに雪が積もると除雪を行ってもコース凍結のおそれがあるため、ダートコースへのコース変更が行われる場合がある。芝コースで施行されるはずの重賞がダートに変更された場合にはグレードが外されて、格付けのない重賞競走として施行される。1998年2月15日のGIIIの共同通信杯4歳ステークスでは芝1800mからダート1600mに変更されたためGIIIが外され、格付けのない重賞競走として施行された。かつてはダートコースに大雨により水溜りが出来たため芝コースへのコース変更を行ったこともあった。 また、積雪を伴う降雪が少ない地域の競馬場では馬場を整備すればレースは可能であったとしても大雪などによる公共交通手段の途絶の可能性や来場者の不慣れな雪道での安全の確保を考慮して、開催が中止・順延になった事例もある。
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