開催に関する問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 20:19 UTC 版)
「第42回国民体育大会」の記事における「開催に関する問題点」の解説
この国体は、史上有数の開催是非が問われた大会だといえるほど問題点が多い大会だった。 まず、国体開催に関しては、天皇・皇后をはじめとする皇族が臨席するのだが、沖縄県は琉球処分後に方言禁止等の皇民化教育が施され、その帰結で1945年に太平洋戦争の地上戦に巻き込まれ、戦後はアメリカ支配下におかれるなど、数々の犠牲を被った結果、復帰後反天皇制(皇室制度)への活動の拠点として沖縄が利用され、海洋博の際に当時の皇太子明仁親王・同妃美智子に対し火炎瓶が投げつけられるなどの事件があった。このため、沖縄の訪問に際しては賛否両論が巻き起こった。 1922年に摂政として訪問して以来となる昭和天皇の訪問がまさに実現するかと思われたそのとき、昭和天皇は病に倒れ、訪問が不可能となり、かわって前述の皇太子夫妻が天皇の名代として臨席した。結局昭和天皇は、沖縄訪問が実現しないまま、1989年1月7日に崩御(死去)した。なお、上皇・上皇后は天皇・皇后時代に国体・全国障害者スポーツ大会以来となる沖縄訪問を全国植樹祭の際に果たし、その後も国立劇場おきなわでの組踊を観覧するなど、数度の訪問をしている。他にも親王時代の今上天皇(このときに初めて沖縄を訪問。沖縄海洋博覧会の際に秋篠宮文仁親王とともに訪問する予定だったが、火炎瓶事件で当時未成年だった皇族の訪問はすべてキャンセルされた)、寬仁親王らがこの国体の際訪問している。
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