酒匂 (軽巡洋艦)とは? わかりやすく解説

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酒匂 (軽巡洋艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 05:46 UTC 版)

酒匂(さかは/さかわ)は、大日本帝国海軍軽巡洋艦[15]阿賀野型の4番艦である。名前は静岡県および神奈川県を流れる酒匂川からとられている[16]太平洋戦争中に建造され、巡洋艦として日本で最後に竣工した艦となった。大戦末期の就役で主要な作戦に参加する機会はなく、舞鶴湾で無傷で終戦を迎えた[17](詳細は後述)。終戦後は復員船として活動した。アメリカ軍の原爆実験クロスロード作戦)の標的艦となり、ビキニ環礁で核爆弾が直上で炸裂し、翌日沈没した。


注釈

  1. ^ 梅野和夫#阿賀野型の水雷兵装によると九二式四連装発射管一型。
  2. ^ アメリカと日本のタービンの操作手順の違いによって、この誤動作は起きた
  3. ^ 原爆実験のことは教えられていなかった

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s #昭和造船史第1巻784-785頁。
  2. ^ a b #写真日本の軍艦第9巻p.105。
  3. ^ a b c 「二等巡洋艦 一般計画要領書 附現状調査」2頁の計画値「註.上記ノモノハ昭和十四年十月十三日艦本機密決第五三八号ニ依ル基本計画当初ノモノヲ示ス」。
  4. ^ a b #JapaneseCruisersp.565, TABLE 11.7.
  5. ^ #JapaneseCruisersp.563.
  6. ^ 「二等巡洋艦 一般計画要領書 附現状調査」22頁。
  7. ^ a b 「二等巡洋艦 一般計画要領書 附現状調査」4頁。
  8. ^ a b c d 「あ号作戦後の巡洋艦兵装状況一覧表」#世界巡洋艦物語p.356。
  9. ^ a b c #矢萩登p.24。「1/200酒匂甲板敷物配置図」からの推定。
  10. ^ a b c 「二等巡洋艦 一般計画要領書 附現状調査」6頁。
  11. ^ #JapaneseCruisersp.604下の写真による。
  12. ^ 「二等巡洋艦 一般計画要領書 附現状調査」20頁。
  13. ^ #JapaneseCuisersp.593
  14. ^ a b 梅野和夫#阿賀野型の航空兵装
  15. ^ a b #達昭和19年4月(1)p.8『達第百二號 佐世保海軍工廠ニ於テ建造中ノ軍艦一隻ニ左ノ通命名セラル 昭和十九年四月一日 海軍大臣 嶋田繁太郎 軍艦 酒匂(サカハ)』
  16. ^ #聯合艦隊軍艦銘銘伝p.131。
  17. ^ a b c #終戦と帝国艦艇79頁
  18. ^ #S1711佐鎮日誌(1)p.23『十一月二十一日第三百七十六號艦、第三百七十七號艦及第一三五號艦起工』
  19. ^ #内令昭和19年4月(1)p.1『内令第五百二十二号 艦艇類別等級別表中左ノ通改正ス 昭和十九年四月一日 海軍大臣嶋田繁太郎|軍艦、巡洋艦二等阿賀野型ノ項中「矢矧」ノ下ニ「、酒匂」ヲ加フ』
  20. ^ #内令昭和19年4月(1)p.13『内令第五百三十三号 軍艦 酒匂 右本籍ヲ横須賀鎮守府ト定メラル 昭和十九年四月九日 海軍大臣嶋田繁太郎』
  21. ^ 昭和19年8月28日(月)海軍公報第4783号 p.34」 アジア歴史資料センター Ref.C12070496300 『○事務開始(略)酒匂艤装員事務所ヲ八月二十一日佐世保海軍工廠内ニ設置シ事務ヲ開始セリ』
  22. ^ 昭和19年11月22日(水)海軍公報第4859号 p.13」 アジア歴史資料センター Ref.C12070497900 『○事務所撤去 軍艦酒匂艤装員事務所ハ十一月十日之ヲ撤去セリ|第六十七號海防艦艤装員事務所ハ十一月十二日之ヲ撤去セリ|第二百二十六號驅潜艇事務所ハ十一月十四日之ヲ撤去セリ|第四十九號海防艦艤装員事務所ハ十一月十六日之ヲ撤去セリ』
  23. ^ a b c 昭和19年11月14日(発令11月10日付)海軍辞令公報(甲)第1643号 p.49」 アジア歴史資料センター Ref.C13072101900 
  24. ^ #S1906十一水戦(4)pp.60-61『酒匂(宛略)機密第三〇一二〇〇番電 一.本日一〇〇〇引渡ヲ受ク/二.五日佐世保出撃内海西部ニ於テ羅針儀公試測定儀試験轉輪羅針儀加速度誤差試験ノ上八日呉回航ノ予定』
  25. ^ #S1906十一水戦(4)p.61『総長|戰編着艦|十一月三十日 一.酒匂ヲGFニ附属/二.椿ヲ11sdニ編入』
  26. ^ #S1906十一水戦(4)p.47『(四)麾下艦艦船部隊ノ行動』
  27. ^ #軽巡二十五隻245頁
  28. ^ #S1906十一水戦(5)p.5『四.麾下艦船竝ニ訓練部隊一時加入艦船ノ行動』
  29. ^ #S1906十一水戦(5)pp.22-23『一一(天候略)一三三〇将旗ヲ酒匂ニ移揚ス』
  30. ^ a b c d 軽巡洋艦『阿賀野・能代・矢矧・酒匂』行動年表、105ページ
  31. ^ #S1906十一水戦(6)p.3『(イ)第一訓練部隊トシテ内海西部ニ在リテ新造駆逐艦及大修理艦艇ノ急速戰力練成ニ任ズル外一部艦艇海上護衛作戰ニ協力』
  32. ^ #S1906十一水戦(5)pp.53-54『一四(天候略)響、第一訓練部隊編入』-『二五(天候略)響7dgニ編入』
  33. ^ #内令昭和20年1月(3)p.46『内令第六七號 驅逐隊編制中左ノ通改定セラル 昭和二十年一月二十五日|第七驅逐隊ノ項中「潮、」ノ下ニ「響、」ヲ加フ』
  34. ^ a b #S1906十一水戦(7)p.38
  35. ^ #S1906十一水戦(7)p.53『(司令官)11S(宛略)機密第二七一三三番電 酒匂二十六日〇九〇〇北九州水道通過時觸底右舷外軸推進器翼先端部湾曲セリ戰斗航海ニ差支ヘナシ』
  36. ^ #S1906十一水戦(7)p.38
  37. ^ a b 舞鶴空襲
  38. ^ #S1906十一水戦(7)p.54
  39. ^ #S1906十一水戦(7)p.54
  40. ^ #S1906十一水戦(8)p.5
  41. ^ #S1906十一水戦(8)p.34『一五|将旗ヲ徹ス』
  42. ^ 昭和20年7月25日(発令7月15日付)海軍辞令公報(甲)第1867号 p.9」 アジア歴史資料センター Ref.C13072106400 
  43. ^ 昭和20年7月25日(水)海軍公報第5079号 p.1」 アジア歴史資料センター Ref.C12070505800 『横須賀鎮守府豫備艦 軍艦 酒匂 右特殊警備艦ト定ム』
  44. ^ #舞廠造機部の昭和史369頁『麾下の艦艇とともに舞鶴へきて、平から佐波賀へ続く海岸の入り組んだところにひっそりと係留された。』
  45. ^ 宮津空襲「酒匂でも対空砲火を船から取り外し、陸上部に対空砲火を移設して、船をカモフラージュし港湾の防衛 に当たっていました。私の恩師が配属されていた25mm.三連装高角機銃も舞鶴空襲時には、陸上部に移設されていました。」
  46. ^ #舞廠造機部の昭和史370頁『「酒匂」はやがてすべての砲座を下ろし、海岸に固定して網をかぶせ、木の枝葉などで擬装した。』『「酒匂」と同じように甲板上にカモフラージュの樹木を植えた。』
  47. ^ a b #軽巡二十五隻246頁
  48. ^ #日本巡洋艦物語333頁『舞鶴港外の島かげに疎開したが、幸運にもまったく無キズで終戦を迎えた。』
  49. ^ #写真太平洋戦争10巻135頁『最終的には舞鶴港外の島影に偽装繋留され、無傷で終戦を迎えた。』
  50. ^ #艦長たちの軍艦史176頁『6月25日、七尾湾に待避して終戦をむかえた。』
  51. ^ #S1906十一水戦(8) p5,p27
  52. ^ 硝煙の海『その際、佐波賀の岸に船形の枯れ木の小山を目撃し、双眼鏡で確認したら軍艦のようであった。われわれは命からがら帰還したのに、敵と対戦せず隠れていることに不信を抱かざる得なかった。数日後、該軍艦が舞鶴に入港してきたので「酒匂」と確認。たまたま親友に同艦乗り組みの方が居るので取材した概要を以下に記す。』『結局「酒匂」は燃料不足で実戦に参加すること無く舞鶴へと回航され、終戦を迎えた。当時日本海側の各港湾も米軍投下機雷で薄氷の海だったが、幸い若狭湾の小浜港に着いたものの隠れる場所もなく、舞鶴向け機雷の海を17ノットで突破し、隠れ場所を佐波賀に設定した。カムファージには艦全体に網を張り、乗組員がその上に山の成木を伐採して覆った。当時、日本海側にも米艦載機の跳梁があったが、発見されずに生き残り唯一の軍艦となった。』
  53. ^ 井川聡『軍艦「矢矧」海戦記』412-413頁「復員航海」
  54. ^ #軽巡阿賀野型・大淀51頁の写真と解説、#JapaneseCruisersp.574 Photo 11.3, p.575 Photo 11.4, p.604 Photo11.10など戦後に撮られた写真による。
  55. ^ 井川聡『軍艦「矢矧」海戦記』414頁
  56. ^ a b c #軽巡二十五隻249-250頁『第三話 朝鮮出身者送還』
  57. ^ 井川聡『軍艦「矢矧」海戦記』416頁
  58. ^ 井川聡『軍艦「矢矧」海戦記』417頁
  59. ^ 井川聡『軍艦「矢矧」海戦記』417-418頁、「軍艦『酒匂』始末記」
  60. ^ a b 昭和21年3月8日付(発令2月11日)第二復員省辞令公報(甲)第78号 p.21」 アジア歴史資料センター Ref.C13072158700 
  61. ^ #公報昭和21年3月p.1『内令第三二號|元驅逐艦 冬月、元第百九十六號海防艦 右特別輸送艦トシ佐世保地方復員局所管ト定ム|横須賀地方復員局所管 特別輸送艦 酒匂 右特別輸送艦ヲ解ク|昭和二十一年二月二十五日 第二復員大臣』
  62. ^ #軽巡二十五隻253-254頁『異郷に眠る新鋭艦への思慕』
  63. ^ a b c #終戦と帝国艦艇80頁
  64. ^ 井川聡『軍艦「矢矧」海戦記』418頁「屈辱の日」
  65. ^ #終戦と帝国艦艇84頁『(70)酒匂 原爆実験後の被害写真』
  66. ^ Kevin Denlay Collection…長門の写真もあり
  67. ^ 昭和19年9月28日(発令9月25日付)海軍辞令公報(部内限)第1604号 p.38」 アジア歴史資料センター Ref.C13072101000 


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