都市化の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 16:48 UTC 版)
伝統的な都市化は、都市機能と住宅が都心の周りに集中するというものであった。例えばアメリカ合衆国では1970年代までは向都離村型と呼ばれる人口移動が中心であった。しかし交通機関の発達や都市環境の悪化などにともない、住宅が都市外部に移転する動きがおこった。これが郊外化である。アメリカ合衆国では1960年代には郊外への工業進出などによって局地的な変化が現われており、1970年代後半にはほとんどの研究者が南部を中心とする人口流入の逆転現象を認めるようになった。 郊外化は住宅のみにとどまらない。多くの研究者は、アメリカ合衆国における郊外化の変化や自動車交通網の発達により、都心や郊外の外側に新しい経済活動の集中点が生まれていることを指摘する。郊外外部に発生した、ネットワーク化された、複数の中心を持つ新しい形の人口や機能の集中地区は「エッジ・シティ」(edge city (Garreau, 1991))、「ネットワーク・シティ」(network city (Batten, 1995))、「ポストモダン・シティ」(postmodern city (Dear, 2000))などと様々に呼称され、新しい形の都市化とみなされている。ロサンゼルスはこうした業務中心地が郊外外部のインターチェンジ付近に展開する典型的な都市である。 日本においてのエッジ・シティーは、鉄道が発達しているため郊外のターミナル駅に出来ることが多い。多摩モノレールの開通した東京都立川市が、既存の地方都市であった八王子を追い越したのが有名である。同じ八王子市内でも、新しく開発された多摩ニュータウンのほうが(旧市街よりも)平均所得・教育レベルが高いといわれている。さいたま市大宮区は、巨大な鉄道ターミナルによって発展している。既存の地方都市は県庁のある浦和であるが、大宮より都心に近い・教育レベルの高さ・駅の高架化などで、(八王子とは違い)住宅地としての人気を保っている。
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