運行目的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 07:12 UTC 版)
過疎地ではバス事業者だけでなく行政も利用促進や補助金により欠損補助を行うなど、バス路線維持のための努力を行っている。しかしもともと利用者が少ないことに加え、道路整備やモータリゼーションの進展、少子化や過疎化の進行などにより、バス路線の維持はますます困難になっている。2002年2月には道路運送法が改正され、バス事業者の路線撤退が許可制から届出制になったこと、介護保険法の制定により介護の必要な高齢者は介護サービス事業者の有償移動サービスに利用者がシフトしたことなどが要因で、バス事業者が路線維持を断念し廃止を届け出るケースが増えている。さらに2008年の原油価格の異常高騰はバス会社に大きな打撃となり、不採算路線からの撤退を促進させる原因となった。 こうした経緯で路線バスが廃止された場合、そのまま放置するか、代替交通手段を探すことになる。しかし不採算路線に自ら参入するバス事業者は非常にまれである。また放置された場合、バス路線の廃止が高齢者などマイカーを利用できない交通弱者の移動機会を奪い、さらなる過疎化に加え地域コミュニティの崩壊など深刻な事態に陥ることも想定できる。そのため「福祉事業」として市町村が自ら乗合バスを手がける事例がある。 自治体が乗合バス事業を始める場合、方式としては21条バスと80条バスの2つの方法がある。21や80という数字は2006年法改正前の道路運送法の該当する条文による。2006年10月の道路運送法等の一部を改正する法律(平成18年5月19日法律第40号)による改正道路運送法の施行後は、下記のように21条による運行は一時的な輸送事業に限定され、従前の21条バスは原則廃止(4条=一般旅客自動車運送事業の許可に移行)、80条バスは、根拠規定が78・79条に移行し、許可制から登録制への変更が行われている。道路運送法の改正に伴い、今までの21条・80条バスは4条規定の一般旅客自動車運送事業として存続したり、78・79条根拠による運行に切り替えたが、改正時期が全国的な自治体の大合併が行われた時期と一致していたため、統合先の自治体の路線バスに置き換わったり、合併を機にコミュニティバスの運行に踏み切った自治体もある。 昨今は、廃止路線の肩代わり以外に、新たにコミュニティバスを運行する自治体も増えており、道路運送法4条や78・79条を該当根拠とする開設方法を取ることがある。なお、廃止代替バスを「自主運行バス」と呼ぶことがあるが、この場合も4条該当の運行形態と79条該当の運行形態がある。
※この「運行目的」の解説は、「廃止代替バス」の解説の一部です。
「運行目的」を含む「廃止代替バス」の記事については、「廃止代替バス」の概要を参照ください。
- 運行目的のページへのリンク