運用砲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 06:50 UTC 版)
砲兵は運用する砲の種類によって3つに分類できる。 在来砲兵 野戦砲を運用する。軽砲 西側:口径75mm、105mm 東側:口径76mm、122mm105-122mmの軽榴弾砲は第一次世界大戦頃ないし戦間期から、口径75-84mmの野砲と共に師団/旅団所属砲兵の主力(師団砲兵)として運用されるようになり、第二次世界大戦頃にはどこの国の軍隊でも使用されるようになった。 軽榴弾砲は戦後も長期にわたって使用されてきたが、近年は120mm迫撃砲の性能向上などもあって、山岳部隊や機動力が重視される空挺部隊など重装備の運用制限が厳しい部隊か、発展途上国および後方の二線級部隊で使用される程度になってきている。 中砲 西側:口径150mm、155mm 東側:口径130、152mm戦間期から第二次大戦にかけては区分は「重砲」であり、ソ連赤軍・大日本帝国陸軍などでは軍団ないし軍司令部に直属する軍団砲兵・軍砲兵の装備として運用されていた。しかしながら同時期のアメリカ陸軍・ドイツ陸軍においては、師団砲兵に1個大隊分の150mm級榴弾砲(M1 155mm榴弾砲・15cm sFH 18)を野砲に変わって配備、軽榴弾砲との混成装備として火力増強を図った。 122mmや150mmクラスのカノン砲は同口径の榴弾砲と比較し、極めて大重量(8t前後)であり性能も異なるため軍団砲兵・軍砲兵として運用される。 また、東側が第二次大戦後に制式化した130mm砲弾はM-46 130mmカノン砲で使用される程度であり、その長射程と大重量から軍団砲兵で運用された。 現在の先進国の師団砲兵では、軽榴弾砲を廃し155mm/152mm砲に集約されている傾向があり、自走榴弾砲も155mm/152mm口径のものが中心となっている。 重砲 西側:口径175mm、203mm、280mm 東側:口径180mm、203mm第一次、第二次両大戦において軍団砲兵・軍砲兵に配備され、攻城砲として要塞などの硬化目標の破壊や遠距離砲撃を任務とし、また、要塞砲や沿岸砲としても運用された。 現在では重砲の任務は航空攻撃かミサイル攻撃、MLRSやBM-30などの長射程・多連装のロケット砲にとって代わられ、姿を消しつつある。 ロケット砲兵 ロケット砲を運用する。基本的には重砲の代替用途として、作戦術以上の階梯で運用される。 ミサイル砲兵 短距離弾道ミサイルなどの戦術地対地ミサイルを運用する。基本的には戦略階梯で運用される。
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