ノーラ B-52とは? わかりやすく解説

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ノーラ B-52

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/27 02:17 UTC 版)

ノーラ B-52
ノーラ B-52
種類 自走砲
原開発国 セルビア
開発史
開発者 Military Technical Institute Belgrade
製造業者 Complex Battle System factory in Velika Plana, Serbia
値段 70万ドル(2005年生産のK0バージョン)
製造数 11両が試作、それ以上生産されている
諸元
重量 34 t(K-I), 27,4-28 t(K0,K1,M03)
全長 11000 mm
全幅 2950 mm
全高 3450 mm
要員数 3-5名

仰角 -3°- +65°
旋回角 60°
発射速度 毎分6-12発(バージョンにより異なる) 初発3発は20秒。
最大射程 31km (HE-ERFB), 42 km(HE ERFB/BB), 52km(HE ERFB/RA-BB 23リットル砲室), 58km(HE ERFB/RA-BB 25リットル砲室), 67km(HE V-LAP 23リットル砲室), 20km(レーザー照準による対戦車誘導砲弾 30F39 Krasnopol(K0から発射))

装甲 バージョンに依存 - K-I: STANAG 4569 Level II(前面、背面), STANAG 4569 Level I(側面), 対地雷防護STANAG 4569 Level 2A/2B, NBC防護として与圧および換気装置
主兵装 155 mm/52口径 (23リットル砲室) or new 155 mm/52口径(25リットル砲室)
副兵装 7,62mm機銃、または7,62mm/12,7mm RCWS搭載可
エンジン ターボチャージャー付きディーゼルエンジン
懸架・駆動 8x8 オフロード装輪
行動距離 1,000 km (620 mi) 、80 km/h (50 mph)走行時(K-I)
速度

道路上: 90 km/h (56 mph)
砂利道: 25 km/h (16 mph)
オフロード: 15 km/h (9.3 mph).

(K-I)
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ノーラ B-52は155mm52口径の自走榴弾砲であり、Vojnotehnički Institut社(Military Technical Institute Belgrade、セルビア)により開発された第4世代の火砲システムが搭載され、輸出や国内運用が行われている。

最初のノーラB自走砲はノーラCに基づいてMTIによって1984年に設計されたが(この時期はユーゴスラビアを除いてどの国も今日TMG(トラック搭載砲)と呼ばれる種類の兵器は持っていなかった)、この段階では152mm榴弾砲ノーラM84が搭載されており[1]、45口径の砲が搭載されたセルビアPriboj社製8x8トラック車台および第3世代火砲システムで構成されていた。

2000年後半、MTI社は第4世代の火砲システムおよび155mm52口径の榴弾砲を搭載した新しいシステムのノーラファミリーをB-52として設計した。

派生型

バージョンにより異なるが、B-52の操作は完全自動化されており、それは36発の自動装填を含む。様々なバージョンが作られてきた:

  1. K0 (最初の世代。オープントップ砲架。パワードライブをマニュアル操作し、光学照準であった)
  2. K1(S) (K0のセミオープン砲架から変更し、全自動の、独立した自動弾道計算、自動発射、および制御システムを実現し、必要人員数を削減した)
  3. M03 (セミオープン砲架。K0、K1設計に基づき自動化を進めたS仕様(S designation)であり、セルビア軍に採用された)
  4. KE (セミオープン砲架。完全自動化された輸出仕様)
  5. K-I (K1に装甲化され完全自動化されたクローズ砲塔。新型の強力なシャーシ、砲塔に発射弾道および速度の測定用レーダーを持ち、NBC防護能力を備えたキャビンおよび砲塔があり、自動化された駐鋤システムがあり、スモークグレネード発射機を持ち、キャビンと砲塔間の内線通話が可能である) S仕様でありセルビア軍に納入されている
  6. 最新は開発中のK2であり、(25リッターの砲室、より高い連射速度、レーザー誘導の長射程砲弾、より少ない人員、新しい自動化された機能、25tに軽量化され、砲は自動的に移動状態に固定でき、新しいスモークおよびライトグレネードを持つ)

K設計はカマズ社のシャーシであり、数字の指定は主兵装装備のレベルによる北との関係による(main weapon in relationship to north)表記および輸出仕様によるものである。要求があればB-52榴弾砲に152mm砲を装備させることができる。

全てのバージョンは異なるシャーシ、装甲、砲塔、装填および補助システムを持つ。 全てのバージョンは自動化された装填システムを持ち、1つの砲による複数発同時弾着(MRSI)が可能である。 標準仕様にはコンピュータ化された砲制御システムおよび地表ナビゲーションシステムが搭載される。 防弾性能は小火器、榴弾の破片およびいくらかの地雷に対するものである[2][3][4]

採用実績

Nora B-52

セルビアはノーラB-52戦場火砲システム(K1、KE、KIを含むB-52ファミリー、BOV M11偵察車、BOV M10指揮車、およびに部隊砲制御および気象用車輌、弾薬運搬車など様々な車輌に搭載され、小隊用戦場火砲ソフト、部隊および分隊レベルが含まれる)をミャンマーケニヤバングラデシュに輸出している[5][6]

完全装備の部隊は通常6-12両の自走榴弾砲により構成される。1-2両のBOV M11偵察車、3両のBOV M10指揮車(小隊ごとに1両、および部隊に1両)、3-6両の弾薬運搬車、通信および作業車輌、2-3両の一般用補給車輌(燃料、食料、水など)および1-2両の砲撃指揮およびレーダーの搭載された火砲の目標指定用車輌である。

装輪型自走榴弾砲の比較
19式 アーチャー カエサル ATMOS ダナ ノーラ B-52 G6-52 A-222
画像
全長 11.21m 14.1m 10m 9.5m(本体) 11.1m 11.0m 10.4m 15.936m
全幅 2.5m 3.0m 2.55m 2.55m(本体) 3.0m 2.95m 3.5m 3.24m
全高 3.4m 3.3-3.9m 3.7m ? 2.85m 3.45m 3.4m 3.29m
重量 25t以下 33.5t 17.7t 22t(参考) 29t 34t(K-I)
25t(K2)
46.5t 43.7t
最高速度 90km/h 65km/h 100km/h 80km/h(道路上)
30km/h(不整地)
80km/h 90km/h(道路上)
25km/h(砂利道)
15km/h(不整地)
85km/h 60km/h
乗員数 5名 3-4名 5名
(緊急時3名)
4-6名 5名 3-5名 3-5名 4-8名
主砲 52口径155mm 36.6口径152mm 52口径155mm
(砲室23Lまたは25L)
52口径155mm 54口径130mm
副武装 RWS×1 12.7mm重機関銃×1 7.62mm機銃
または
7.62mm/12.7mm RCWS
7.62mm機関銃
最大射程 不明 60km[注 1] 50km[注 2] 41km[注 3] 28km[注 3] 58km[注 4]
67km[注 5]
67km[注 6][注 7] 22km
発射速度 不明 8-9発/分 6-8発/分 4-9発/分 5発/分 6-12発/分 4発/分 12発/分
装填装置 自動アシスト 自動[注 8] 自動アシスト[注 9] 自動アシスト 自動
装甲 不明 [注 10] [注 11]
備考 [注 12] [注 13] [注 14] [注 15] [注 16] [注 17]

採用国

Map of Nora B-52 operators in blue
36両がミャンマー軍で稼働している[7][8]
30両が注文され、6両が稼働している[6][9]
18両のノーラB-52自走榴弾砲(SAGEM Sigma 30仕様にカスタマイズされる。慣性航法システムであり、単独でガイドおよび照準機能を持つ)を2011年に発注している[6][7][10]。これらは2013年に受領されるであろう。12両が追加発注されている。
18両のノーラB-52[11]
数は不明[12]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ M982弾
  2. ^ RAP弾
  3. ^ a b ベースブリード弾
  4. ^ HE ERFB/RA-BB弾
  5. ^ HE V-LAP弾
  6. ^ 数値実験では73kmも記録
  7. ^ M9703A1弾
  8. ^ 射撃準備・撤去は各30秒、8分で全弾給弾可能、全自動で装填・射撃可能
  9. ^ 装薬は手動装填
  10. ^ 数値キャビンのみ
  11. ^ 数値完全防護はK-I,K2のみ
  12. ^ 舗装面でも射撃可能
  13. ^ タッチパネル照準装置
  14. ^ 6x6や8x8のトラックを自由に選択可能
  15. ^ 世界初の装輪式自走榴弾砲、砲塔は225°旋回可
  16. ^ 砲塔は360°旋回可、背面には水平射撃可、対戦車誘導砲弾あり
  17. ^ 沿岸砲として運用、砲の仕様は海軍艦艇と共通

出典

外部リンク


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