通勤車への格下げ改造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 05:27 UTC 版)
「東武1800系電車」の記事における「通勤車への格下げ改造」の解説
1990年代当時、館林地区のローカル区間には吊り掛け車の5000系列が使用されていた。これらの老朽化に伴う淘汰のため、本線系統に30000系を投入し、8000系をローカル区間に割り当てる方策が採られていたが、2001年からは長期に渡って館林駅構内に休車扱いで留置されていた1800系1811F・1812F・1815Fも活用することとなり、一般通勤車両へ格下げ改造が施された。 格下げ改造は1979年製の中間車2両を廃車とし、登場時の4両編成に戻した上でデッキ仕切壁の撤去・トイレの撤去・座席の固定・つり革の設置などを行うとともに、他の普通鋼製通勤形電車と同一の白地に青の濃淡の帯の塗装とした。また、愛称表示プレートを撤去してその跡にLED式の行先表示器を設置、前頭部の通過標識灯も撤去された。施工は杉戸工場で、アルナ工機(現・アルナ車両)の出張改造で行われた。この改造に際してロングシート化は行われず、妻板が一部残っているなど急行運用時代を伺わせる部分も多数残っていた。客用扉増設も行っていないため、通勤車両としては珍しく乗降口は1両につき片側1か所(一部車両は片側2か所)であった。この改造に伴い1815Fの組成各車の車両番号の末尾桁は「5」から「3」に改番されたため、編成表記は「1813F」となった。 格下げ改造車である1811F - 1813F(旧1815F)は2001年4月23日から営業運転を開始し佐野線や小泉線で運用されていたが、1編成に幅0.9mの片開き乗降扉が5箇所あるのみだったため(5050系は1編成に幅1.3mの両開き扉が16箇所ある)、乗り降りに時間がかかって遅延しやすくなった。2006年3月18日のダイヤ改正から佐野線でワンマン運転を開始したことから、小泉線の非ワンマン区間(館林 - 西小泉間)へ転用され、同区間で運用されていた5050系を淘汰している。その後、同区間のワンマン運転を同年9月28日から開始する関係で、同年7月4日に8000系2両編成3本により置き換えられたため、全車が運用から離脱した。同年7月1日に1812Fが、同年7月3日には1811Fと1813Fがそれぞれ運用を離脱し、館林駅構内に留置されていたが、2007年1月18日に1812Fが、1月19日には1811Fと1813Fがそれぞれ北館林荷扱所に廃車回送され、同年3月下旬 - 5月上旬にかけて解体された。 運用離脱前年に開催された2005年のファンフェスタでは200系・1819F・300系・350系と共に並べられ、「りょうもうの歴史」と題した車両撮影会が開催された。 通勤形への改造を受けた1800系(2003年9月23日 / 渡瀬 - 田島) LED式の行先表示器が設置された改造後の前面(2007年5月5日 / 館林検修区) 改造後の車内(2006年3月24日) 改造後の車内に設けられた優先席(2006年3月24日)
※この「通勤車への格下げ改造」の解説は、「東武1800系電車」の解説の一部です。
「通勤車への格下げ改造」を含む「東武1800系電車」の記事については、「東武1800系電車」の概要を参照ください。
- 通勤車への格下げ改造のページへのリンク