近年のメディアミックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 15:52 UTC 版)
「メディアミックス」の記事における「近年のメディアミックス」の解説
近年は、元々一つのメディアでしか表現されていなかった作品(原作)を、小説、漫画、アニメ、ゲーム(コンピュータゲーム)、音楽CD、テレビドラマ、映画、タレント、トレーディングカード、プラモデルなど、複数メディアを通じて展開するビジネスモデルを指して、「メディアミックス」と呼ばれるのが一般的である。 従来のビジネスモデルであったキャラクター、小道具、施設など、作品内に登場する物をモチーフとした商品の販売、いわゆるグッズ戦略が、あくまで作品要素を模写・抽出した製品の製造と販売によって当該作品の経済効果を受容する戦略であったのに対し、メディアミックスの売買対象は厳密にいえば作品そのものであり、いわゆる副次的なものではあるが創作物そのものを商品として経済効果を吸収する媒体とした点に大きな相違がある。その結果、創作活動の多軸化によって創作物の量産を可能にし、そして何より従来路線にはなかった爆発的な市場開拓力を持ち、認知性(知名度)の拡大、支持層の開拓、「商品」展開によるさらなるブーム刺激と、それによるブームの長期化・持続化の効果をもあわせ持つに至った。 この「商品」展開による過熱化効果は、規模が大きいものだとその重複効果が倍加され社会現象規模のブームをも産み出す可能性を持つ(例:『新世紀エヴァンゲリオン』など)とも云える。 1990年代、角川書店は『スレイヤーズ』シリーズにおいて、小説、漫画、アニメ、映画、ゲーム、イベントなどをほぼ同時進行させ、常にいずれかのメディアで商品を提供し続ける手法で、同タイトル作品の長期的な人気の持続に成功した。そして同時期に大ヒットした『新世紀エヴァンゲリオン』における製作委員会方式の確立によって角川書店のメディアミックスは大成功を収める。 また最近では、TV局方面での映画・ドラマのメディアミックス化が活発となっている。漫画のドラマ化・映画化が一般的になり始め、さらに逆にある程度TV放送で視聴率のとれたドラマなどを漫画連載化するという形での進出も試み始められている。
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