農業、飢え、貧困の関連性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:44 UTC 版)
「食料安全保障」の記事における「農業、飢え、貧困の関連性」の解説
飢えと貧困を撲滅するためには、これら2つの不正の関連性について理解することが必要である。飢えとそれに付随して起こる栄養失調は、貧しい人々の学習や労働、本人および家族の健康管理を妨げ、貧困から逃れることを阻害している。食料有事は物理的に食料を手に入れることができない場合、十分な食料を手に入れるだけの社会的、経済的成功を収めていない場合、または食料が十分に活用されていない場合に人々が栄養不良になっているときに存在する。食料有事の状態にある人々とは十分でない、またバランスを欠いた食事によってエネルギーや栄養素の不足に起因する伝染病や病気のため体が効果的に食料を消化できない物理的症状を示す人や、必要最低限のエネルギーが摂取できていない個人である。栄養と健康の領域内で体内における食品の生理的利用を考慮し、栄養価のある食料を十分に摂取できないことにのみ言及することによって別の見方から食料有事の概念を定義することもできる。栄養失調は健康を害することにもつながり、そのためその人は家族に食料を与えることができなくなってしまう。もし、解決されないまま放置されれば、飢えは栄養失調者の続出につながり、成人の労働力減少と健康な子供が生まれる機会の減少、子供の学習能力や生産的、健康的で幸せな人生を送る機会を奪うことになる。この人間開発の切り捨ては次の世代の国家の経済成長の潜在能力を徐々に蝕む。 農業生産性と飢え、貧困には強い、直接的な関連性がある。世界の貧困者の4分の3は地方部に住んでおり、彼らは農業によって生計を立てている。これらの地域における飢えと子供の栄養不良は都市部に比べて多い。それだけでなく、自給自足の農業のみによって収入を得る地方の人口の割合が高ければ高いほど(進んだ技術と市場を利用する利益を得ることなく)、栄養不良の発生率は高くなる。そのため、小規模農家を対象にした農業生産性の改善はまず地方の貧しい者を益することを目的としている。 農業生産性の向上は農家がもっと多くの食料を生産することを可能にし、それはすなわちよりよい食事と、対等な競争の場が与えられた市場の状態の下での農家の収入の増加につながる。農家はもっと多くのお金があればより多様で付加価値のある作物を生産すると思われ、彼らのみならず経済全体に資する。
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