軍事兵器としての利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 07:51 UTC 版)
「指向性エネルギー兵器」も参照 良く知られている高エネルギーを伝え得る光線としては、レーザー光線やマイクロ波(電磁波)であるが、それらを発生し、また収束させて目標に投射する装置の軍事利用は進んでいない。何故なら空気中の減衰が激しいこと、そしてそれらを兵器に利用できるほど高出力の発生装置を作ると、どうしても装置自身やそれが消費するエネルギー源の大型化が避けられないという大きな欠点があるからで、また現用の火薬によって弾体を発射せしめる銃器(火器)の方が実績があり、またそれで間に合っているためである。 殺人光線には様々な種類があるが、以下のようなものは殺人的光線ではあっても殺人光線の範疇には含まれないと考えられる。なぜなら、これらは副次的に致死性であったり、その効果が遅効性であるもので、光線と致死の因果関係が曖昧だからである。 高速で移動する乗り物に乗った運転者の視力を奪う光線レーザーポインターでは、これ自体で殺人を達成できない。 照射され続けると、皮膚癌などの健康被害を受け、いずれ緩慢な死に至る危険性のある光線太陽光(日常的に浴びる分には、ビタミンDの生成を促し健康に役立つが、浴び過ぎると、火傷・病気の元である) 不快な色・パターンをしており、気分を悪くさせ、自殺などを促しかねない光線光過敏性てんかん(1997年のポケモンショックなど) 断眠のために強烈な光を顔面に向けて照射するという拷問 いくつかの国家では真剣に研究が行われ、旧日本軍・登戸研究所などでも電磁波が殺人光線として利用可能かどうかが研究された。ただし日本での研究は敗戦に際して資料が破棄されたため詳細は伝えられておらず、怪力線などと呼ばれたものでは紫外線照射装置が研究されていたなどという話もあるが不明瞭である。怪力線は風説だけが独り歩きし、電子レンジの元になったとする都市伝説もあるものの、電子レンジの原理自体は米レイセオン社のマイクロ波実験の過程で副次的に発見され商品化されたものである。なお、直接に対人殺傷を目的としていないものの、ミサイル迎撃などの用途で指向性エネルギー兵器として実用化された例がある。
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