譲渡制限特約とは? わかりやすく解説

譲渡制限特約

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 14:10 UTC 版)

債権譲渡」の記事における「譲渡制限特約」の解説

当事者債権譲渡禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても債権譲渡は、その効力妨げられない4662項)。 後述するように2017年改正民法2020年4月1日法律施行)では譲渡制限特約について悪意重過失譲受人対す債権譲渡譲渡自体は有効とし、債務者利益保護のため、債務者悪意重過失譲受人に対して履行拒み、かつ、譲渡人対す履行譲受人対抗できるとされた(4663項)。 譲渡制限特約2017年改正前の旧4662項は「当事者反対意思表示した場合となっており、従前は「譲渡禁止特約」と呼ばれていた。 2017年改正民法2020年4月1日法律施行4662項では、譲渡禁止のほか完全な譲渡禁止ではない制限規定されており、まとめて「譲渡制限特約」と呼ばれる物権効力否定2017年改正前の旧4662項債権者債務者の間に譲渡禁止特約がある場合債権譲渡効力生じないとされ(旧4662項本文)、ただし、譲渡禁止特約対抗できるのは悪意又は重過失譲受人に対してだけであって善意軽過失ある場合を含む)の譲受人に対して譲渡禁止特約対抗できないとなっていた(同項ただし書)。この譲渡禁止特約効果当事者の間でも第三者との関係においても債権譲渡効力否定する物権効力であるとされ、判例も、債権譲渡自体効力生じないという解釈立っているとされていた(物権効力説)。しかし、契約には原則として第三者対す効力はなく、債権譲渡による資金調達支障になっているとの指摘があった。 2017年改正民法2020年4月1日法律施行)では一般債権に関する規律預貯金債権に関する規律分け一般債権に関する規律については、譲渡制限特約に反す債権譲渡もその効力妨げられないとされた(4662項)。なお、債権者には譲渡制限特約の契約違反となるが契約解除損害賠償請求可否解釈によるとされている。 譲渡制限特約付の債権譲渡され場合譲渡制限意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務履行拒むことができ、かつ、譲渡人対す弁済その他の債務消滅させる事由をもってその第三者対抗することができる(4663項)。譲受人の譲渡制限特約の悪意重過失立証責任債務者が負う。 2017年改正前は、譲渡禁止特約対抗できるのは悪意又は重過失譲受人に対してだけであって善意軽過失ある場合を含む)の譲受人に対して譲渡禁止特約対抗できないとされていた(旧4662項ただし書)。しかし、債務者保護譲渡効力否定する要はなく、弁済相手方固定すれば債務者保護図られるとの指摘なされた2017年改正民法2020年4月1日法律施行)では譲渡制限特約について悪意重過失譲受人対す債権譲渡譲渡自体は有効とし、債務者利益保護のため、債務者悪意重過失譲受人に対して履行拒み、かつ、譲渡人対す履行譲受人対抗できるとされた(4663項)。 なお、譲渡制限特約について悪意重過失譲受人対す債権譲渡場合債務者4663項による履行拒絶等により譲受人にも譲渡人にも弁済しないと、譲受人債権回収が困難となるため譲受人その事態を解消するための催告与えられている。この場合譲受人は相当の期間を定めて譲渡人への履行催告をすることができ、その期間内履行がないときは、その債務者履行拒絶等が認められなくなる(466条4項)。

※この「譲渡制限特約」の解説は、「債権譲渡」の解説の一部です。
「譲渡制限特約」を含む「債権譲渡」の記事については、「債権譲渡」の概要を参照ください。

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