調理・食事作法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 00:04 UTC 版)
遊牧民の料理においては、移動式家屋に住み住居を転々とすることから料理器具の数は必要最小限にする必要がある。加えて、電気や水道のような贅沢な設備は存在しない。鉄の大釜カザンはカザフスタン料理において代わるもののない重要な地位を占める。カザンはパラウやスープ、パンを焼く際にも使用される。浅いカザンなら、裏返した鍋の裏で平たいパンを焼くことができるからである。ヒツジやヤギはその多くが乳を絞るために利用され、これからチーズなどの乳製品が作られる。 宴会の主人は肉を自分で切り分け、一番うまく切れた部分を主賓に捧げる。この肉は茹でたパンなどともに食することが多い。食事の際、主賓に対しては調理したヒツジの頭部が出されることがあり、宴会や儀式などの場においては同席した人々に回していく。カザフスタンの習慣においては、客は常に上座を与えられ、特別な歓待を受ける。 カザフスタンの人々は伝統的にダスタルハン (дастархан) と呼ばれる低いテーブルにテーブルクロスをかけて食事を行う。カザフスタンの人々は出来る限り美しい食器を使用する伝統を有している。クムスは銀の装飾のついた口の広いボウルもしくは絵付けされたカップで供され、 肉は大皿に乗せて供される事が多い。茶は装飾が施されたティーポットで淹れ、愛らしいカップに注いで出される。珍しいことに、乾燥したメロンや動物の小腸が面白い形に編み合わされることがよくあり、パンにはベリーの汁で花模様が描かれる。大きく深いボウルは乳製品を供するために使用され、小さな木製の鉢は小麦粉の生地を作るために使用される。さらに、どの家庭にも木製の匙があり、これらは手入れがされ木箱もしくはフェルト製のカバーに入れて持ち運ばれる。これはカザフスタンの食文化における匙の重要性を示している。
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